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MIRAIT ONE GROUP

電気発熱法ハイブリッド浄化

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  • 法人企業向け

電気発熱 3Dモデル

粘性土層における有害物質の残留や、浄化後のリバウンドといった従来の課題を解決するのが、国際航業が特許を取得した「電気発熱法ハイブリッド浄化」です 。
電気を流して土壌を温めることで、有害物質や間隙水の移動性を向上させ、揚水・ガス吸引・薬剤注入などの効果を高め、確実な浄化と工期短縮を実現します。
VOC、1,4-ジオキサン、PFASといった難分解性物質の分解に有効で、掘削除去とは異なり、工場を操業しながら狭い場所でも浄化ができる技術です。

1.原位置浄化の課題(リバウンド)

電気発熱 汚染モデル

従来の原位置浄化では、対策終了後に 土壌の細孔部に残った汚染物質が、時間をかけて地下水へ再び溶け出す「リバウンド」という課題がありました 。特に、関東ローム層に代表されるような粘性度の高い土層が介在する地盤では、有害物質が残りやすく、この問題が顕著になります 。

粘性土層が存在すると、地下水の揚水や、薬剤注入(栄養剤や酸化剤)といった方法のみでは、汚染物質を完全に取り除くことは困難です 。また、汚染された土壌を掘削除去するとなると、多大な費用と工場の操業休止といった大きな負担が発生します 。完全な浄化ができないままバリア揚水などを継続する場合、維持管理コストが発生し続けるだけでなく、土壌汚染がさらに拡大するリスクも抱えることになります 。

このようなリバウンドの問題を根本から解決し、確実な浄化を実現するのが、当社の「電気発熱法ハイブリッド浄化」技術です。

2.電気発熱法の原理と効果

電気発熱 3Dモデル

まず、浄化対象範囲の地盤に、3~5m間隔で電極井戸(直径50mm程度)を設置します 。この電極間に、工場の一般的な電源(三相交流200V)から供給される25V~200Vの電圧を加えます 。すると、電気の抵抗体となる土壌自体にジュール熱が発生し、地盤が内部から均一に30℃~90℃まで温められます 。

この方法の大きな利点は、高温の熱媒体を地上から送り込む必要がないため安全性が高く、ジュール熱を利用するため確実かつ均一に土壌を昇温できる点です 。

3.電気発熱法を用いたハイブリッド土壌・地下水汚染浄化

電気発熱 2Dモデル

上記の加温効果により、粘土やシルトといった浸透性の低い土壌の細孔部に固着していたVOC(揮発性有機化合物)などの有害物質や、間隙水そのものの移動性が向上します 。動きが活発になった汚染物質を、地下水揚水や土壌ガス吸引によって物理的に回収したり 、薬剤注入によって化学的・生物的に分解したりすることで 、これまで難しかった汚染源の完全な浄化と工期の短縮が可能になります 。この技術は、新たな対策としてのみならず、実施中の対策の強化としても活用可能です。

50℃~90℃に加温不飽和帯粘土層からのVOCガス(水蒸気)回収 ガス吸引対策の確実性の向上・工期短縮
40℃~60℃に加温帯水層に介在する粘土層に存在するVOCの回収 揚水対策の確実性の向上・工期短縮
30℃~40℃に加温帯水層に介在する粘土層に存在するVOCの分解  バイオレメディエーションの確実性の向上・工期短縮
40℃~70℃に加温過硫酸ナトリウム溶液の注入  VOC、1,4-ジオキサン、PFAS等の難分解物質の分解

4.電気発熱法ハイブリッド浄化の特徴

本技術は、効果や安全性、施工性において多くのメリットを提供します。

高い安全性と信頼性
・高熱源を用いないため、地上設備が熱くならず安全に作業できます 。
・交流電気を用いるため、地下タンクや埋設管などを電気的に腐食させる心配がありません 。
・専用の電源装置により、感電や迷走電流の発生を防ぎ、作業員の安全や工場設備への影響を排除します 。

経済性と施工の柔軟性
・特別な電源は不要で、浄化にかかる電気代は比較的安価です (以下の表参照)。
・電極井戸の設置は人力での打設も可能です。弊社は工場建屋内などの狭い場所や、地下ピットなどの障害物を避けての施工実績も豊富です 。
・電極を均等に配置できない場合でも、均一な加温が可能です 。
・井戸や配線を地中に埋設するため、浄化対策期間中も上部の土地を利用できます。 地上に必要なのは1.5m×1.5m程度の電源装置設置スペースのみで、装置は全天候型のため屋外設置も可能です(以下の画像参照) 。

【 事例1】 飽和帯の粘性土層における塩素化エチレン類による土壌・地下水汚染○浄化期間:5か月、 電気代:3,360円/㎥
【 事例2】ローム層におけるベンゼン、トルエン、キシレンによる土壌汚染○浄化期間:6か月、電気代:2,880円/ ㎥
【 事例3 】ローム層における塩素化エチレン類による土壌汚染○浄化期間:10か月、電気代:1,910円/ ㎥
【 事例4 】飽和帯の粘性土層におけるテトラクロロエチレンによる土壌・地下水汚染○浄化期間:10か月、電気代:5,160円/ ㎥
【 事例5 】飽和帯の粘性土層におけるベンゼンによる土壌・地下水汚染○浄化期間:14か月、電気代:6,730円/ ㎥※ベンゼン土壌溶出量が24mg/Lと高濃度であったことから浄化達成に時間を要した

5.電気発熱法ハイブリッド浄化の完了実績

弊社は本技術の特許を取得し 、東京都の認定も受けています 。

また、これまでに24エリアでの浄化を完了し、土壌汚染対策法に基づく区域指定の解除も達成しています 。対象物質も、塩素化エチレン類をはじめ、ベンゼン、トルエン、キシレン、1,4-ジオキサン、油汚染など多岐にわたります 。既存の対策に本技術を追加することで浄化を完了させた実績もございます(以下の表参照)。

浄化対象物質件数ハイブリッド工法
ベンゼン(トルエン・キシレン)7・ガス吸引:6件 ・熱活性過硫酸:1件
テトラクロロエチレン、 トリクロロエチレン、1,2-ジクロロエチレン、クロロエチレン15・ガス吸引:5件、揚水1件 ・ガス吸引+揚水:4件 ・バイオスティミュレーション:4件 ・熱活性過硫酸:1件
1,4-ジオキサン2・ガス吸引(水蒸気回収):2件

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