海洋レーダは短波帯や超短波帯の電波を利用し、広範囲の海象(流れ、波浪)を、陸上から連続してリアルタイムに実測することができます。
当社は、長年培ってきた海洋レーダによる計測・解析技術により、調査の提案から、観測機器の設置、流況・波浪データ解析、解析結果の分析・加工までを行うことができます。また海洋レーダ観測データのインターネット配信システムや流れデータを利用した海上浮遊ゴミ分布予測システムを構築した多くの実績があり、これまで蓄積した技術をもとに、お客様のニーズに応じたシステムを提案・構築します。
従来、岸から数十km沖合いまでの流れや波浪(波高、周期、波向)分布を把握するためには、複数台の流速計や波高計を海域に設置し、長期間の観測(流速は15日から1ヶ月間、波浪は季節変動をとらえるため数ヶ月間)を行っていました。しかしコストや設置方法の制約から観測点の数が限られるため、広域の面的な海象情報を同時に把握することは非常に困難でした。そのためデータの無い海域ではシミュレーションにより推定しますが、気象や複雑な地形の影響をすべてシミュレーションで再現することは困難です。
海洋レーダーは、短波帯(3~30MHz)や超短波帯(30~300MHz)の電波を海に照射することにより、数km~数十km沖合までの流れや波浪を同時に観測することが可能です。
観測装置は陸上に設置するため、海上でのメンテナンスは不要で、海上設置機器(例えばGPS波浪計)で発生する流出事故もありません。また短波~超短波帯の電波を利用しているため、雨や雲などの影響を受けずに連続的に観測することが可能です。
陸上に設置したアンテナから海上に向けて電波を照射すると、電波波長の半分の長さを持ち、レーダビームと同方向に伝播する海面波から強い信号が返ってきます(ブラッグ散乱)。海面で反射され戻ってきた受信信号を周波数解析すると流れや波浪情報を得ることができます。
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