閉鎖性水域の水環境解析
内湾、ダム湖沼などの閉鎖性水域では、水質保全を図るために、これまで下水道整備や工場・事業場の排水規制等の点源対策が推進されてきたが、内湾では赤潮や貧酸素水塊等による水産業への影響、ダム湖沼ではアオコによる利水障害等が依然として課題となっているとともに、地球温暖化の影響も危惧されています。
流域の特性に応じた最適な水環境保全対策を立案するには、最新のデータをもとに流域の発生汚濁負荷を把握し、かつ流域の水循環や負荷循環を解析するとともに、閉鎖性水域での生態系を含めた水質変化を的確に予測・評価することが重要です。
当社は、流域情報のデータベースと、水循環モデル・負荷循環モデル及び閉鎖性水域の低次生態系段階を考慮した水質予測モデルなどを有機的に結合させ、水環境保全対策の計画・実施を支援します。
海洋レーダによる海上浮遊ゴミの分布・移動予測システム
閉鎖性内湾では河川などから流れ込む草木や家庭ゴミ、流出油などによる海面汚染、また流木などの大型浮遊ゴミによる船舶の航行障害などが問題となっています。これらを防除するため、国土交通省港湾局では浮遊ゴミや流出油を回収する海洋環境整備船による海洋環境整備事業を行っています。
当社では、海洋レーダを利用した海象情報表示・配信システムだけでなく、海洋レーダが観測した海洋表層の流れから潮目位置や浮遊ゴミ追跡計算を行い、現在および将来のゴミ分布を推定し、海洋環境整備船運行の効率化につながるシステムを数多く構築しています。
これら技術は、近年大きな問題となっている大陸からの漂流・漂着ゴミ問題に対しても、ゴミ流出経路探索や漂着時間・場所の予測等への活用が期待されています。
海洋レーダーによる流れ、波浪観測
海洋レーダは短波帯や超短波帯の電波を利用し、広範囲の海象(流れ、波浪)を、陸上から連続してリアルタイムに実測することができます。
当社は、長年培ってきた海洋レーダによる計測・解析技術により、調査の提案から、観測機器の設置、流況・波浪データ解析、解析結果の分析・加工までを行うことができます。また海洋レーダ観測データのインターネット配信システムや流れデータを利用した海上浮遊ゴミ分布予測システムを構築した多くの実績があり、これまで蓄積した技術をもとに、お客様のニーズに応じたシステムを提案・構築します。
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