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事例紹介

海外開発コンサルティング

廃棄物管理

セルビア

  • シド市の最終処分場
  • ごみ収集作業の様子
プロジェクト名: 廃棄物管理能力向上プロジェクト
期     間: 2021年6月~2024年6月
実施スキーム : 技術協力プロジェクト(JICA)

セルビアでは経済成長と都市化が進む中、廃棄物の管理体制改善が課題となっています。EU加盟を目指す同国は、EUの埋立てや焼却よりも発生抑制、再使用、再生利用を優先させる「廃棄物ヒエラルキー」の考え方を念頭に、廃棄物抑制や廃棄物の適正管理と効率化を実現するべく、国全体を27の地域に区分した広域廃棄物管理システムを導入する考えです。

セルビア北西部に位置するシド市は人口約 32,000人の地方都市であり、収集される約 26 トン/日の廃棄物は市内の処分場で高さ 3 メートル以上に積み上げられています。ごみの分別やリサイクルはまだほとんど行われておらず、処分場容量の残余年数は約 4 年と見込まれています。同市は、国の地域廃棄物管理計画の実施を目指していますが、広域処分場は遠方で輸送コストが高額となること、利用にはごみの分別が求められること、といった課題があります。

本プロジェクトは、シド市において効率的で持続可能な廃棄物管理体制を構築し、その経験を中小自治体における廃棄物管理のモデルとして、国内の他の地域へ共有することにより、セルビア全域での広域廃棄物管理システムへの加入推進を図ることを目的としています。更に、EU基準に沿った国家廃棄物管理計画の着実な実施を促進し、EUが定める環境基準の達成に寄与することで、EU加盟を後押しする狙いもあります。


ODA見える化サイト
https://www.jica.go.jp/oda/project/1900387/index.html

インド

  • ごみ量ごみ質調査の様子
  • ごみ収集作業の様子
プロジェクト名: インド国ヴァラナシ市衛生改善プロジェクト
期     間: 2020年5月~2023年6月
実施スキーム : 技術協力プロジェクト(JICA)

インドでは、人口増加や急速な経済発展に伴い、都市を中心に廃棄物の不適切な管理、生活排水等の不十分な処理による河川等の水質汚濁といった環境問題が非衛生的な生活環境を招いています。インドで最も聖なる川として崇拝されているガンジス川流域にある人口120万を数えるヴァラナシ市もまた、産業の発展や人口増加等に伴う水・衛生分野における深刻な課題に直面しています。

例えば、廃棄物管理分野においては、推定発生量全体の約2割が収集されないまま道路や空き地、排水路、河川などに投棄されており、最終処分についても市が指定した空き地にオープンダンピング方式で廃棄物が搬入・処理されている状況です。汚水処理に関しては、汚水発生量全体の約4割が未処理のままヴァラナシ市南北を流れるバルナ川、アッシー川に流入しており、両河川さらにはガンジス川への汚濁負荷を増大しています。上水供給に関しては、100年以上前に敷設された配水管も多く、漏水による給水制限や配水時点での水質悪化等の問題が顕著となっています。

本プロジェクトは廃棄物管理、無収水削減、汚水・排水処理管理の3つの側面において改善活動を行い、ヴァラナシ市役所及びウッタラ・プラデシュ州上下水道公社ヴァラナシ支所の環境衛生改善に係る能力を強化することにより、同市及び周辺自治体における環境衛生の改善に寄与することを目指しています。


ODA見える化サイト
https://www.jica.go.jp/oda/project/1700509/index.html

全世界

  • ごみの流出リスクの高いプラスチックリサイクル工場(ベトナム)
  • 個包装のプラスチックのごみ
プロジェクト名: 海洋プラスチックごみの実態把握及び資源循環に係る本邦技術の活用に向けた情報収集・確認調査
期     間: 2019年4月~2020年3月
実施スキーム : 情報収集・確認調査(JICA)

海洋プラスチックごみによる、生態系を含めた海洋環境の悪化、船舶航行への障害、観光・漁業への悪影響、沿岸域居住環境の悪化等の問題が、近年特に懸念されています。プラスチックごみはひとたび海洋へ流出してしまうと回収することは難しく、影響が長期に渡る恐れがあることから、途上国を含めた世界全体による対策の推進が求められています。

我が国でも、2019年5月に「プラスチック資源循環戦略」が策定され、日本国内における3R(リデュース、リユース、リサイクル)等の取り組み強化に加え、途上国に対し海洋プラスチックの発生抑制等に向けた国際協力を進める方針が掲げられました。具体的には、技術・イノベーション、環境インフラの海外展開など、我が国の有する知見や経験、技術をアジア太平洋地域はじめ世界各国に共有し、各国の発展段階や実情に応じた支援を行うとしています。

こうした状況にあって、本調査では、海洋プラスチックごみ問題に関する国際社会の動向、各国における海洋プラスチックごみの現況及び対策の現状と課題、途上国における協力ニーズに係る情報収集・整理及び関連本邦技術の適用可能性の分析等を行いました。そのうえで、多くの海洋プラスチックごみを排出していると推察されているアジア地域の国々を対象に、日本の取り組み・技術に関する理解を深めることを目的とした本邦招へいの計画を立案して、JICAによるその実施を支援しました。

大洋州

  • 最終処分場の様子(サモア)
  • 市域をまたがる広域収集の導入支援(ミクロネシア連邦)
プロジェクト名: 大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクトフェーズ2
期     間: 2017年3月~2022年9月
実施スキーム : 技術協力プロジェクト(JICA)

大洋州の島嶼国では、急速な生活様式の近代化等によって、廃棄物の種類が多様化し量も増大しています。さらに、その国土の遠隔性・隔絶性・狭小性といった地理的条件や、伝統的な土地所有制度等の社会的背景が相まって、適切な廃棄物処理が困難な状況にあります。

JICAは、2000年に地域国際機関である太平洋地域環境計画事務局(SPREP)への個別専門家を派遣したこと皮切りに、大洋州地域における固形廃棄物管理を支援してきました。2011年~2016年には、大洋州11カ国(ミクロネシア、マーシャル、パラオ、キ リバス、サモア、トンガ、ツバル、パプアニューギニア、フィジー、ソロモン、バヌアツ)を対象とした「大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト」(フェーズ1)を実施して対象国の廃棄物管理にかかる人材育成と制度の基盤強化を目指し、当社社員も専門家として参画しました。フェーズ1では、地域研修の実施、地域の特性を考慮した実践的な廃棄物管理ガイドブックの作成、「地域廃棄物管理円卓会議」の設立など、地域の状況に根差した知見の発掘と共有が進められました。しかし一方、各国の廃棄物管理に関わる組織、制度、財務面における脆弱性は依然として顕著であり、廃棄物管理能力の強化や資源回収システムの整備、3Rsに加えてReturn(有価物や処理困難物を、適正なリサイクルが可能な海外へ輸出すること)を通じた適正な資源循環・適正処理の仕組みづくり、SPREPを中核とする自立的な域内協力の基盤作り等への支援が必要と考えられ、フェーズ2が実施されることとなりました。

フェーズ2の対象国は大洋州9か国(フィジー、ミクロネシア連邦、パラオ、パプアニューギ ニア、マーシャル諸島、サモア、ソロモン諸島、トンガ、バヌアツ)です。廃棄物管理にかかる人材および組織・制度的な基盤の強化という地域全体の目標の下、各国においては、廃棄物管理状況の継続的・定期的な把握、廃棄物収集サービスの拡大、廃棄物管理計画の作成など、それぞれの課題に応じた目標が掲げられ、当社技術者とカウンターパートとの協同作業が続けられています。


ODA見える化サイト
https://www.jica.go.jp/oda/project/1000391/index.html(先行プロジェクト)
https://www.jica.go.jp/oda/project/1500257/index.html(フェーズ2)