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2024-11-28
リリース
王子グループ子会社CENIBRA社の社有林25.4万haを対象とした森林変化の衛星データ分析を実施 ~持続可能な森林管理の取り組みを支援~
2024-10-29
イベント/セミナー
2024-06-24
経営/財務
人工衛星で撮影した画像からは、広範囲の被災状況を読みとることができます。また、可視光以外の光を感知できる衛星の特性を活かし、さまざまな被災状況が明らかになりました。
国広範囲に及ぶ被災状況の全容を把握する上で、衛星は唯一の方法となります。全域の概況把握に適した衛星、詳細状況の把握に適した衛星、雲がかかっていても観測できるレーダ衛星など、さまざまな衛星の特性を活かして、超広域の被災状況を明らかにしました。
衛星には、分解能は低いけれど高頻度で日本全体を観測しているものがあります。この広域衛星画像は米国のTerra衛星により、3月14日10時30分前後に撮影されました。水色の領域が浸水したと思われる範囲です。各エリアをクリックすると、拡大画像がご覧いただけます。
津波で浸水した範囲は、レーダ波が反射し戻ってこないため、画像上で暗く表現されます。画像処理でその領域を抽出することで、衛星撮影時点での浸水範囲を推定しました。このレーダ画像は3月13日5時38分に、RADARSAT衛星により撮影されたものです。海岸付近の連続した赤い領域が、浸水していると推定される範囲です。
震災前に整備されていた画像データと、災害後に撮影された高分解能レーダ衛星画像を比較判読することで、市街地の建物倒壊等の詳細被害を把握できます。この高分解能レーダ衛星画像は、イタリアのCOSMO-Skymed衛星により、震災発生の約1日後の3月12日18時34分に撮影されました。レーダは雲を透過するため、震災直後の雲が多い天候の中で、現地の詳細な被害状況をいち早く把握することができました。
☆レーダ衛星画像による陸前高田市の被災状況(3月12日撮影)
☆レーダ衛星画像による大船渡市の被災状況(3月12日撮影)
超高分解能の衛星画像により、航空画像では得られない震災後の早い段階での被災状況が極めて詳細に把握できました。この画像は、災害後20時間弱の3月12日午前10時34分に、福島県相馬市上空から地上分解能約1mのIKONOS衛星によって撮影されたものです。家屋の流出や浸水状況、瓦礫の分布状況などが、詳細に判読できます。当時の潮位は、地震前の潮位表では標高約マイナス0.2mと予測されています。
☆高分解能衛星画像による相馬市の被災状況(フォールスカラー )
☆高分解能衛星画像による相馬市の被災状況(トゥルーカラー)
海岸林は防風、防砂、防潮の機能を有し、防災の観点で非常に重要です。今回の震災では、津波によって広域にわたって海岸林が消失、損壊しました。海岸林を復元するためには、被災状況の把握が大切です。以下の画像は、震災前後の超高分解能衛星GeoEye-1およびIKONOSの画像から、画像処理によって海岸林とその周辺植生が消失した箇所(黄色の領域)を抽出したものです。
災害救助から復旧・復興に移る段階で、津波被害で生じた膨大な瓦礫の処理は大きな課題となります。今回の震災では、非常に広範囲に大量の瓦礫が発生しているため、その除去を計画的・効率的に行ううえで、当初の分布状況の把握と撤去状況のモニタリングが必要と思われます。この例は、超高分解能衛星GeoEye-1の画像から、画像処理により瓦礫の分布範囲(赤色の領域)を抽出したものです。これを定期的に行うことで、的確な瓦礫除去に寄与できると考えています。
福島県相馬市に津波が到達したと思われる範囲を、3月12日午前10時34分に撮影した衛星画像から読み取りました。右の図は衛星画像に津波の浸水域を表示したもの。左は地形図上に津波の浸水域を表示したものです。
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