1990年代、世界経済はグローバル化と急速な成長を遂げました。その結果、多くの人々の生活水準が向上し、平均寿命も延びました。しかし、同時に地球温暖化や海洋汚染などの環境問題、そして人権侵害の問題が地球規模で広がり、複雑に絡み合って解決を困難にしています。その結果、地球環境と社会状況は悪化の一途をたどっています。
すでに世界各地で、異常気象による自然災害が頻発しています。さらに、SARS、MERS、新型コロナウイルスといった新たな感染症が次々と発生し、急速に拡大しており、多くの尊い命が失われています。このような状況下で最も深刻な被害を受けているのは、貧困層です。貧富の差は、ますます拡大しています。現在、地球と社会の危機は加速度的に進行しており、私たちは激動の時代を迎えています。
経済発展による負の遺産を後世に残さず、地球と社会を健全な状態で未来へ引き継ぐこと。それは、現代を生きる私たち全員の責任です。当社は、困難な社会課題を解決するための技術サービスを提供し、自治体や企業など、さまざまなステークホルダーのサステナビリティ経営を支援することを使命と定めています。そして、「空間情報で未来に引き継ぐ世界をつくる」というミッションを掲げました。
社会課題に対する意識を高め、最先端の技術、豊富な経験、そして高い志を持つ技術者と、それを支えるバックオフィス。これらのリソースを結集し、未曽有の難題に挑戦する覚悟です。気候変動への対策をはじめ、さまざまなソリューションを提供すること。また、事業プロセスから生じる温室効果ガス(GHG)などの環境負荷をゼロにすることも目標としています。さらに、社員一人ひとりが働きやすい職場環境と、多様な能力を開花できる機会を提供することで、ミッションを達成してまいります。
当社は、サステナビリティ経営という言葉が一般化する以前から、その重要性を認識し、積極的に取り組んでまいりました。2013年には、国連グローバル・コンパクトに署名しました。さらに、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出量を実質ゼロにするという目標を設定しました。この目標は、科学的根拠に基づいた削減目標であるとして、SBTiから認定を受けています。現在、この目標に沿って、着実に実行を進めています。
地球規模でのカーボンニュートラルや人権尊重といった課題は、一企業だけの努力では解決できません。これらの課題解決に向け、空間情報を通じて未来へ持続可能な世界を引き継ぐため、国際航業は社会の一員としてサステナビリティの実現に尽力します。そして、民間セクターとしての責任を果たすべく、自社の取り組みに留まらず、サプライチェーンに関わる企業や競合企業に対しても、サステナビリティ経営への参加を積極的に働きかけてまいります。
今後とも、皆様の温かいご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。