国際航業では、航空写真以外にも各種衛星画像を活用したリモートセンシング技術の向上に積極的に取り組んできました。今日では、人工衛星画像を用いた空間計測技術は、空間情報を取得する当社のコアテクノロジーの一つとなっています。
近年打ち上げられる衛星は、高解像度化が進み、米国のWorldView-3衛星をはじめとする30cm級の超高解像度衛星や、雲や夜間でも観測できるSAR衛星が日本を始め世界各国で打ち上げられています。
また、コンステレーションと言われている複数衛星を運用している企業も出現し、米国PLANET社のように常時130機以上で一日一回以上地球のあらゆる箇所を観測しています。今後も小型衛星群によるコンステレーション運用が多数計画されており、衛星画像の利用機会拡大が期待されます。
当社では、リモートセンシング技術による空間計測サービスとともに、これらの衛星画像データの販売代理も行っております。
人工衛星に搭載されたセンサによって、地表面の対象物から反射もしくは放射される電磁波をセンサで観測することで対象物の情報を取得することができます。
一般的にリモートセンシングで用いられる電磁波の波長帯は、人の目で見える可視光の波長域に加え、近赤外、短波長赤外、中間赤外、熱赤外などであり、これらの波長が短い光を用いるセンサを光学センサと呼びます。
光学センサは大気の影響を受けるため、大気中に雲があると地表面の情報を取得することはできません。
一方で、波長の長い電波は雲の影響が小さく、大気中に雲があっても透過して地表面の情報を取得することができる。このような波長域をマイクロ波と呼び、マイクロ波を用いるセンサをマイクロ波センサと呼びます。
一般的に光学センサを搭載した衛星を光学衛星、マイクロ波センサを搭載した衛星をSAR衛星と呼びます。
センサによって異なる特性を理解・活用することで、農業、林業、環境、海洋、大気、資源探査、防災、インフラのアセットマネジメントなど様々な分野に利用することができます。
光学衛星は大気の影響を受けるため、雲などがあると地表の情報を得ることができません。
一方、SAR衛星は雲の影響を受けずに地表面を観測できるため、雲が多い季節でも、地表の情報を得ることができます。
ただ、SAR衛星で撮影された画像はモノクロ画像であり、光学衛星のようなカラー画像を作成することは困難です。
光学衛星とSAR衛星、それぞれの特性を十分に理解し、最大限に活用することで、各分野でのモニタリングなどに利用できます。
地球温暖化対策や林業活性化の一環として、森林情報整備や森林のモニタリングが行われています。
我が国では、林相や森林資源に関する情報整備、森林変化や造林未済地、病虫害のモニタリングに衛星画像が活用されています。また、森林GISの背景画像としても活用されています。
海外では、REDD+に代表されるように、森林基盤図(ベンチマークマップ)の整備と、その定期的な更新に衛星画像が活用されています。
国、州、都道府県といった広域を対象として森林情報整備や森林のモニタリングを行なうためには、広域を一度に観測できる衛星画像が有効です。
人工衛星は広範囲の情報を一度に撮影できることに加え、人の目に見えない光の情報や電波の情報を記録することができます。また、光学衛星だけでなく、昼夜や天候を問わず地表面を観測することが可能なSAR衛星の活用により、災害の際にも状況を把握できる可能性が広がります。
これらの特性を活かすことで、浸水域や建物の被害状況など、災害時の被災状況を迅速に把握することができ、救難・救助の支援、さらには復旧・復興などに活用することができます。
そのほか、地震による地盤変動、建物被害や液状化範囲の推定も可能です。
高度経済成長期などに整備されたインフラの高齢化が進んでいます。一方で、少子高齢化に伴う人口減少下においては維持管理や更新のための費用と人的リソースの確保などの懸念があることから、より効率的・戦略的なインフラの維持管理が求められています。
そんな中、センサーの多様化や低価格化・無償化など、衛星を取り巻く環境も年々変化してきており、広範囲を定期的かつ比較的安価に面的にモニタリング可能な、衛星を活用したインフラ維持管理への期待が高まっています。
複数時期の衛星画像を解析することで、観測機器を設置することなく地盤の変動やダムなどの大型インフラの変位状況をミリ単位までモニタリングすることが可能となります。
従来の衛星では、情報が欲しいタイミングで撮影することが困難な場合が多く、特に農業分野においては、作物の状況が短い周期で変化するため、利用が困難でした。
近年は衛星の小型化や同一性能の衛星を複数機打ち上げることで、高頻度での観測が可能となり、雲の影響が多い地域においても、撮影できる可能性が高まりました。
これらの衛星群によって撮影された画像を用い、農作物の生育状況を把握し、営農に役立つ情報を提供します。
衛星画像やドローンを使い、農作物の生育状況や圃場の状態を正確に診断する営農支援サービス「天晴れ」はこちらから。
国際航業がお取り扱いしている衛星をご紹介します。
価格や料金体系など詳細は下記のボタンからお問い合わせください。お見積りを提出いたします。
運用国:アメリカ合衆国
運用機関:Maxar社
打ち上げ日:2008年9月6日
軌道高度:681km
センサー種別:光学
運用国:アメリカ合衆国
運用機関:Maxar社
打ち上げ日:2001年10月18日
軌道高度:450km
センサー種別:光学
運用国:アメリカ合衆国
運用機関:Maxar社
打ち上げ日:2007年9月18日
軌道高度:496km
センサー種別:光学
センサー周波数帯域 | パンクロマティック:397~905nm |
---|---|
解像度(GSD)※直下視 | 0.50m |
観測幅(撮影幅) | 17.7 ㎞(直下視) |
量子化ビット数 | 11ビット |
回帰日数 | 1.7 日(GSD1m 未満) |
5.4 日(オフナディア角20°未満、GSD 0.55m) | |
地理位置精度(CE90) | 仕様:オフナディア角 30 °以下で5mCE90 |
運用国:アメリカ合衆国
運用機関:Maxar社
打ち上げ日:2009年10月8日
軌道高度:770km
センサー種別:光学
運用国:アメリカ合衆国
運用機関:Maxar社
打ち上げ日:2014年8月14日
軌道高度:617km
センサー種別:光学
運用国:アメリカ合衆国
運用機関:Planet Labs社
打ち上げ日:2008年8月29日
軌道高度:630km
センサー種別:光学
運用国:アメリカ合衆国
運用機関:Planet Labs社
打ち上げ日:2013年11月21日(1号機)
軌道高度:595km
センサー種別:光学
運用国:アメリカ合衆国
運用機関:Planet Labs社
打ち上げ日:2015年
軌道高度:400km(ステーション軌道)、475km(PSLV打ち上げ太陽同期極軌道)
センサー種別:光学
運用国:フランス
運用機関:CNES
打ち上げ日:2011年12月17日(1号機)、2012年12月1日(2号機)
軌道高度:694km
センサー種別:光学
運用国:フランス
運用機関:AIRBUS Defence & Space社
打ち上げ日:2012年9月9日(6号)、2014年6月30日(7号)
軌道高度:694km
センサー種別:光学
運用国:日本
運用機関:JAXA
打ち上げ日:2014年5月24日
軌道高度:628km
センサー種別:SAR
偏波 | HH or VV or HV スポットライト、HH or VV or HV/HH+HV or VV+VH (STRIPMAP)(3m)、HH or VV or、HV/HH+HV or VV+VH (SCANSAR) |
---|---|
解像度 | 1~3m スポットライト、3~10m 高分解能、100m 広域観測 |
観測幅(撮影幅) | 25km スポットライト、50km,70km 高分解能、350km,490km 広域観測 |
回帰日数 | 14日 |
運用国:イタリア
運用機関:e-GEOS社
打ち上げ日:2007年6月8日(1号機)、2007年12月9日(2号機)、2008年10月25日(3号機)、2010年11月6日(4号機)
軌道高度:620km
センサー種別:SAR
偏波 | HH または VV (SPOTLIGHT)、HH,HV,VH,VVのいずれか (STRIPMAP/SCANSAR) |
---|---|
解像度 | 1m (SPOTLIGHT)、3m,5m(マルチルック) (STRIPMAP)、16m,30m(マルチルック) (SCANSAR-WIDE)、30m,100m(マルチルック) (SCANSAR-HUGE) |
観測幅(撮影幅) | 10km~200km |
観測モード | 5種類 |
回帰日数 | 16日 |
運用国:ヨーロッパ
運用機関:ESA/EC
打ち上げ日:2014年(1A)、2016年(1B)
軌道高度:693km
センサー種別:SAR
運用国:ヨーロッパ
運用機関:ESA/EC
打ち上げ日:2015年(2A)、2017年(2B)
軌道高度:786km
センサー種別:光学
(image credit:ESA, EADS Astrium)
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