2025/01/17
導入実績
分野 | 空間情報 |
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プロジェクト名 | ウクライナ国国家地理空間データ基盤活用のための能力向上プロジェクト |
期間 | 2022年 2月~2027年 2月 |
実施スキーム | 技術協力プロジェクト(JICA) |
ウクライナ国は、農業生産性を向上し投資を増加させるため、土地所有制限撤廃と透明性の高い公平公正な農業用地市場の確立を目指してきました。この根本的な改革を実現するためには精度の高い地籍図が必要であり、政府が作成・保有する地理空間情報へのアクセスと仕様・品質等の表示方法の確立が不可欠となっていました。
本プロジェクトでは、構築済の国家空間データ基盤(NSDI)の利活用拡大のために必要な技術文書の整備、ジオポータルなどのサービス改善、アウトリーチ活動などが計画されていました。しかし、着手直後に起きたロシアによる侵攻によって、本プロジェクトを含め多くの政府機関の業務が停止する状況となりました。
実施を半ば諦めかけましたが、2022年2月の侵攻開始から5カ月後には首都キーウが一定の安定を取り戻し、経済活動の低下や予算凍結、停電、ミサイルの脅威などの問題を抱えながらも、①国有地台帳システムの技術的評価とシステムの再構築、②デジタル地図作成基金の設立、③ジオポータルの改善と実用的ユースケースの作成などの成果を徐々に上げ始めています。今後、NSDIジオポータル運用改善とデータ所有者向けトレーニングを予定しており、渡航制限が解除されれば現地活動を再開します。
(写真上:プロジェクトで整備したウクライナ国南部の地形図)
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