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Google Maps Platform Large Vehicle Routing

2026/09/17

製品情報

Large Vehicle Routingとは?

人手不足の深刻化やドライバーの標準作業時間の見直し、配送効率の向上など、日本の物流業界は「効率化と安全の両立」という持続可能性に関わるテーマに日々向き合っています。

そんな中、Google Maps Platform から物流・配送業務を大きく進化させる機能が登場しています。それが 「Routes API / Route Optimization API の Large Vehicle Routing(大型車両向けルーティング機能)」 です。

本記事では、Google Maps Platform の Large Vehicle Routing(LVR) の機能概要から、活用メリットまで詳しく解説します!

なぜ大型車両専用のルーティングが必要なのか?

大型トラックやトレーラーの運行には、普通車とは全く異なる走行制約やリスクが存在します。

  • 高さ・重量規制による立ち往生リスク

    • 架道橋やトンネルの高さ制限、橋梁の重量制限など、大型車が通行できない道路は数多く存在します。事前の迂回ルート把握が不十分だと、現場での引き返しや大幅な遅延、事故リスクにつながります。

  • Uターンや狭小道路の回避

    • 大型車にとって、狭い路地への進入や無理な旋回は極めて危険です。ドライバーへの精神的負担が大きいだけでなく、重大事故の誘発要因にもなります。

  • 正確なETA(到着予想時刻)の算出

    • 大型トラックの走行速度は普通車と異なります。普通車ベースのアルゴリズムで計算されたETAでは現場でズレが生じ、指定時間の遵守や後工程の作業スケジュールに支障をきたします。

Large Vehicle Routing(LVR)の主な機能

Google Maps Platform の Large Vehicle Routing では、車両のスペック(車高・車幅・総重量など)をリクエストパラメータとして送信することで、大型車に最適化されたルートと高精度なETA を取得できます。

車両スペックに応じた制限回避

車両の「高さ」「幅」「長さ」「総重量」「軸数」および「危険物の有無」を指定可能。APIが通過不能な道路を自動的に回避した安全なルートを導き出します。

大型車特有の挙動の最適化

大型トラックが苦手とする Uターンを避けるルート指定や、走行しやすい幹線道路・高速道路の優先活用を自動で行います

トラック専用ETAモデルによる高精度な時間予測

Googleが蓄積したトラックの走行データと、リアルタイムおよび予測交通情報を組み合わせたトラック専用ETAモデルを使用。より現実に近い到着予測時間を算出します。

Navigation SDK とのシームレスな統合

Routes API で生成されたルートは、「Route Token(ルートトークン)」 を介して Navigation SDK へ渡すことが可能です。自社のドライバーアプリ内で、Google Maps の操作感をそのまま生かしたトラック専用のターンバイターンナビゲーションを提供できます。

ビジネスへのメリットと活用シナリオ

  • 未経験ドライバー・新人ドライバーの安全運行支援

    • 熟練ドライバーの「経験や勘」に頼っていた走行可能ルートの判断をシステム化。経験の浅いドライバーでも安心してナビに従って走行できます。

  • 正確な時間管理と労務・運行計画の適正化

    • 高精度な走行時間と距離の算出により、配送ルートの無理をなくし、ドライバーの労働時間の適正化と顧客への正確な配送時間案内を両立します。

  • 配送フリート全体の最適化(Route Optimization API との連携)

    • 個別のルート検索だけでなく、複数車両の巡回ルートを一括計算する「Route Optimization API」でも大型車条件を適用可能。配送網全体の稼働効率を最大化します。

APIのリクエスト例(Routes API)

リクエストサンプル

Large Vehicle Routingの結果を得るためには、Routes APIのcomputeRoutes エンドポイントで指定するリクエストbodyの中身について、移動モードを TRUCK に設定し、vehicleInfo にサイズや重量を指定することで利用することができます。

curl --location 'https://routes.googleapis.com/directions/v2:computeRoutes' \
--header 'Content-Type: application/json' \
--header 'X-Goog-Api-Key: YOUR_API_KEY' \
--header 'X-Goog-FieldMask: routes.travelAdvisory.routeRestrictionsPartiallyIgnored' \
--data '{
"origin": { "location": { "latLng": { "latitude": 41.31, "longitude": -74.75 }}},
"destination": { "location": { "latLng": { "latitude": 41.30, "longitude": -74.78 }}},
"travelMode": "TRUCK",
"routeModifiers": {
"vehicleInfo": {
"totalHeightMm": 4114,
"totalLengthMm": 21945,
"totalWeightKg": 32658,
... // その他必要な車両属性
}
}
}'

レスポンスサンプル

Routes APIはvehicleInfo に指定したサイズや重量(大型車両サイズ)を加味した結果を返却します。通常のRoutes APIの利用方法と同じく、指定されたフィールドマスクに応じて、トラック固有の到着予定時刻、移動距離、およびナビゲーションSDKで使用するためのルートトークンなどをレスポンスとして取得することが可能です。

{
"routes": [
{
"distanceMeters": 3426,
"duration": "312s",
"travelAdvisory": {},
"routeToken": "CogCCogBChA7b39q54cKGCys_***得られたルーティングToken"
}
] }

現在の提供状況(注意点)

現時点で Large Vehicle Routing は 米国(アラスカ、ハワイ除く本土48州)を中心とした一部地域で先行提供(個別申請が必要な限定機能) となっています。
日本においては、限定試験版(Restricted Experimental)の提供が開始されました!
※一般提供(GA)は未定となります。

  • グローバル展開する物流企業: 北米等での陸送・配車システム構築にいちはやく導入可能です。
  • 国内中心の物流企業・開発者: 将来的な日本市場への対応や機能拡張を見据え、自社システム(配車管理やドライバーアプリ)のAPI構成をあらかじめGoogle Maps Platform前提で設計しておくことで、日本対応時にスムーズに連携・拡張できます。

まとめ

Google Maps Platform の Large Vehicle Routing は、物流業界の持続可能性と安全運行を支える次世代のルーティングソリューションです。

安全なルート案内によるドライバーの負担軽減、高精度なETAによる顧客体験の向上、そしてフリート全体の最適化を目指し、最新のAPI動向をぜひチェックしてみてください。

※本記事は Google Maps Platform 公式ドキュメント(Large vehicle routing overview)に基づき作成しています。

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