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気候変動政策ブログ・環境通信

環境通信 Vol.223 TNFDウェビナー開催報告/ CDP2023レポート/ 自然共生サイトR5度後期認定

2024/03/25

コラム

【 2/27 TNFDウェビナー開催報告】 CDP2023レポート公表 /「自然共生サイト」R5度後期認定結果

今回の環境通信では、以下3点についてご報告します。

① 2/27 TNFDウェビナーの実施報告
② CDP2023レポートの公表
③「自然共生サイト」の令和5年度後期認定結果および令和6年度前期申請

2/27 TNFDウェビナーの実施報告
企業活動に対し、自然関連財務情報開示およびネイチャーポジティブに向けた取り組みが求められるようになり、その流れは加速しています。
例えば、令和5年1月31日、企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正により、有価証券報告書等において、「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄の新設と、サステナビリティ情報の開示が求められることとなりました。これらの開示は、2023年3月期決算企業から適用とされております。
また同年9月にはグローバルな取り組みであるTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言のver1.0が公表されております。

この情報開示に向けた取り組みの拡大・強化というグローバルな流れの中、特に自然関連財務情報について対応される企業の皆様のお役に立てて頂くべく2024年2月27日に以下のセミナーを開催しました。

「TNFD対応の進め方 ~バードライフによる「IBAT」の解説と合わせて~」

製造業を中心に、50社を超える企業の方々からお申込・ご参加を頂き、TNFDに対する関心の高さが窺えました。
また、セミナー終了後に参加者の皆様から頂いたアンケート結果については以下のようなものでした。

・TNFD開示予定について
→ 開示済が2割弱、今年または来年開示予定が33%、予定なしが5割

・TNFD対応の進捗状況について
→ 未対応が55%、スコーピングや「L」までが24%、「E」以降が21%

・TNFD対応の最も課題に思っていることについて、
→「対応していない」31%、「どう進めていいのかわからない」26%

関心の高さは窺えるTNFDですが、具体的な取組に対しては、どう進めて良いかが分からず進められていない、という企業が多い現状が浮かび上がってまいりました。
皆様とお話をしていても、「自然関連情報」というと対象が非常に広く、実際に何からどのように進めればいいかわからない、という声がよく聞かれます。
セミナーの中でも話をさせて頂きましたが、TNFD対応においては初めからすべてを網羅した完璧な対応をするのではなく、ステップバイステップで一歩ずつ、出来るところから、優先順位を付けながらで良いと考えております。

自然資本に関する情報開示支援(TNFD)
(https://www.kkc.co.jp/service/item/10420/)

CDP2023レポートの公表
3月19日にCDPアワードジャパン2024が開催されました。CDP2023質問書における気候変動・水セキュリティ・フォレスト各分野でのAリスト取得企業や都市の表彰と合わせて、CDPホームページではレポートが公表されております。

気候変動分野では、プライム上場企業1,182社を含む1,244社が回答し、Aリストには111社(プライム上場企業102社)が選定され、いずれも2022より伸びています。

水セキュリティ分野では、質問書配布企業を大幅に増やし1,207社を対象とした中、513社から回答があり、回答企業数は2022の256社から2倍に増加しています。

気候変動のみならず、水セキュリティ分野でも情報開示をする企業が拡大しています。
一方で、イベントの中でご登壇された方の話では、「情報開示」と「取組(行動)」は両輪で回していく必要がある、というお話が再三聞かれました。

まず「情報開示」に取り組むことも非常に重要でありながら、同様に排出量削減やリスク低減といった「取組」の重要性も説かれており、自社にとってのリスク・機会を整理した上で具体的な取組に落とし込んでいく事が必要です。

「自然共生サイト」の令和5年度後期認定結果および令和6年度前期申請
「自然共生サイト」については令和5年度より申請受付が開始され、企業においてもTNFDへの活用という面も含めて対応を検討されている企業も多いかと思います。
令和5年度前期として122サイトが認定されたのに加え、先日令和5年度後期として新たに62サイトが認定されました。
環境省として100サイトの認定を目標に掲げていたのに対し、非常に多くの企業・団体から申請がされた結果となっております。

環境省の公表内容はこちら

環境省においては30 by 30 の達成に向け、令和6年度も引き続き申請の受付を行う予定となっております。
こちらについても、申請支援をはじめとして、事前の生物多様性調査、認定後の管理・モニタリング計画策定、モニタリング調査等、ワンストップでの対応支援をおこなっております。

当社では上記①②③においてはそれぞれ、情報開示支援や回答支援、申請支援等に加えて、実際の「取組」支援を中心に提案・対応をさせて頂いております。各種の対応を進めるにあたり、お悩み・お困りの点があればすべて対応させて頂きますので、是非ともご相談ください。

担当は、防災環境事業部フロント営業部の中村雄樹でした。