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気候変動政策ブログ・環境通信

環境通信 Vol.222 令和6年能登半島地震津波のメカニズムや被害把握に関するご報告

2024/02/26

コラム

【Webセミナー 2月20日開催】 「令和6年能登半島地震津波の メカニズムや被害把握に関するご報告 ~東北大学災害科学国際研究所 副所長 越村教授を迎えて~」 を開催して

今回の環境通信では、以下2点についてご報告・ご案内させて頂きます。

2/20 能登半島地震に関するセミナーの開催報告
2/27 開催予定のTNFDウェビナーのご案内

■2/20 能登半島地震に関するセミナーの開催報告
2024年1月1日午後4時10分、石川県能登半島に最大震度7にまで及ぶ大きな地震が発生しました。半島北部の輪島市や珠洲市では、建物倒壊、土砂崩れ、大規模火災、津波など多大な被害が生じました。

この震災を受け、先日2月20日(火)に東北大学の越村俊一教授をお招きして、

「令和6年(2024年) 能登半島地震のメカニズムや被害把握に関するご報告」
~東北大学災害科学国際研究所 副所長 越村教授を迎えて~

と題したwebセミナーを行いました。

事前の申込は100名を超え、皆様からの関心の高さが伺えました。

越村教授は、地震発生翌日の1月2日に結成された15大学・研究機関の現地調査チームの先遣隊の一員として、1月4日に被害実態の調査のために被災地に赴いており、講演では、能登半島地震の全体像、地震および津波のメカニズム、現地調査結果について報告を頂きました。概要は以下をご覧ください。

・日本海側における過去(1,750年以降)の大規模活断層地震において、津波による被害を伴う地震が能登半島以西で発生した記録はなかった。

・地震の震源断層は、能登半島北部を北東から南西に走る総延長137km程度の断層で、その活断層上となる石川県珠洲市が震源となった。

・この断層の動きを波源とする津波が発生し、波源内に位置する輪島市や珠洲市では地震発生直後に津波が到達することとなった。

・南北方向に卓越した津波が発生したが、能登半島・富山湾の特徴的な海底地形(飯田海脚)が影響し、能登半島を回り込む形で西側の志賀町や、東側の富山県・新潟県にも津波が到達することとなった。

・志賀原発においてはこの回り込みが影響し、地震発生25分後におよそ1mの津波が到達した後、地震発生1時間30分程度後に最大となる3m程度の津波が到達することとなった。

また、建物の被害状況等を把握する上では当社が撮影した航空写真(斜め写真)も非常に有効であったとのご説明を頂きました。
地形の影響を受けて津波が能登半島を回り込んで半島の西側を襲った、という点は初めて聞くお話で、個人的には非常に勉強になりました。

セミナー後に頂いたアンケートでは、以下のような声を頂いております。

・特に津波被害のシミュレーションとオンライン建物被害調査の方法やその精度、活用は非常に重要で有用であることを感じた。

・南海トラフ、首都直下そしてどこで起きるかわからない内陸直下に備えて、地震リスクへの対応(減災)は産官学の強固な連携・協働が不可欠だ。

アンケートでも頂きましたように、いつ来るかわからない巨大地震に対して、お住まいの地域やお勤めの地域ではどのような災害が発生しうるのか、またどのような備えが必要となるのかを把握し、関係者と共有し、準備しておくことの重要性を、皆様も再認識されたのではないでしょうか。

当社では、セミナーでもご説明しましたが、災害リスクの把握ツールとして、また発災時の被害把握(初動対応の支援)ツールとしてご活用頂けるBois(防災情報提供サービス)をはじめ、様々な防災ソリューションを提供しております。
災害リスクの把握・防災対応等でお悩みがございましたら是非ご相談ください。

▼Boisの詳細はこちらから https://www.kkc.co.jp/service/lp/7855/

■2/27 開催予定のTNFDウェビナーのご案内
先月の環境通信でもご案内しましたTNFDウェビナーについて、開催が迫って参りました。ご都合宜しければ是非、お申込み下さい。

【開催日時】2024年2月27日(火)13:30~14:30
【タイトル】TNFD対応の進め方 ~バードライフによる「IBAT」の解説と合わせて~
【開催方法】web(zoomを利用予定)
【参加費用】無料
【申込方法】 こちらの申込フォームから必要事項を入力の上、お申込み下さい。

【プログラム】※以前のご案内から少々変更となっております。
 1.13:30~13:40:TCFD対応を踏まえ、企業はTNFDにどう向き合うべきか
 2.13:40~14:00:TNFD提言ver1.0の概要説明
 3.14:00~14:25:企業のTNFD対応におけるご提案
   「IBAT」のご紹介 ~バードライフ・インターナショナル東京  
 4.14:25~14:30:質疑応答

以上、担当は防災環境事業部フロント営業部の中村雄樹でした。