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気候変動政策ブログ・環境通信

環境通信 Vol.219 PFOS・PFOA(PFAS)の動向と当社のソリューションについて

2023/11/27

コラム

PFOS・PFOA(PFAS)の動向と当社のソリューションについて

今回は、以下の2点についてお伝えします。
PFOS・PFOA(PFAS)の動向と当社のソリューションについて!
水害リスク評価に関するウェビナー開催のご案内

昨今、テレビや新聞などで、PFASに関連した番組や記事を見る機会が増え、メディアや一般の方々の関心も高まってきています。本環境通信の読者の皆様も『PFOS・PFOA(PFAS)』の文字を目にする機会が増えてきたのでないでしょうか?

今年6月の国際航業 環境通信 Vol.214【土壌・地下水汚染に関する業界トレンド ー 有機フッ素化合物(PFAS)】において、PFASに関する業界トレンドをお伝えしましたが、あらためて『PFOS・PFOA(PFAS)』の動向について伝えさせて頂きます。

PFOS・PFOA(PFAS)とは?
PFASは人工的に作られた有機フッ素化合物の総称で、10,000種類以上あるといわれています。水や油をはじき熱に強いという特性があり、1940年代から産業利用されており、焦げつきにくいフライパンや防水服、食品の包み紙、航空機やコンビナート火災等で使われる泡消火剤、半導体製造工程等、幅広く利用されています。
一方、PFOS・PFOAは難分解性で残留性が高いことから、POPs条約の対象となっており、国内でも化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律で厳しくその利用が規制されています。

◆PFOS(ピーフォス):ペルフルオロオクタンスルホン酸
◆PFOA(ピーフォア):ペルフルオロオクタン酸
◆PFAS(ピーファス):有機ふっ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の総称

日本のPFOS・PFOA汚染について
環境省発表の「令和元年度PFOS及びPFOA全国存在状況把握調査の結果について」によると、河川、湖沼、海域、地下水、湧き水を含む171地点※で調査を実施した結果、13都府県の37地点で国の暫定的な目標値を超過(最大:1156.6ng/L)したと報告されています。
令和元年度PFOS及びPFOA全国存在状況把握調査の結果について

翌年度には計143地点※で調査を実施した結果、12都府県の21地点で目標値の超過(最大:5500ng/L)が確認されています。
令和2年度有機フッ素化合物全国存在状況把握調査の結果について

※本調査はあくまで全国の171地点または143地点の調査結果であり、全国を網羅的に調査したものではありません。

≪参考≫令和3年度公共用水域及び地下水のPFOS及びPFOA調査結果一覧

令和3年度の調査では沖縄県宜野湾市の普天間飛行場や東京都福生市の横田基地など、多くの米軍基地周辺地点の地下水等から比較的高濃度のPFOSが確認される等、国内でも、PFOS・PFOA・PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)等のPFASによる環境汚染が社会問題となっております。

PFOS・PFOAの国内の法規制
PFOS・PFOAだけではなく、PFASについては、海外や国内で様々な規制がかけられています。
国内では、水道法において2020 年に PFOS、PFOA を水質管理目標設定項目に位置付け、また環境省においても水質汚濁防止法における要監視項目に追加し、指針値(暫定) 【PFOS及びPFOAの合算値で0.00005mg/L以下(50ng/L※以下)】を設定、PFHxSを要調査項目に指定しています。
また、2023年2月1日には、水質汚濁防止法の施行令の一部が改正され、 PFOS・PFOA等が指定物質に追加され、事故時の措置・届出の対象となりました。
なお、7月には『土壌中のPFOS、PFOA及びPFHxSに係る暫定測定方法(溶出量試験) 』が環境省より公表されております。
※:1ng/L(ナノグラム/リットル)は、1L中に10億分の1gの濃度

国際航業のPFOS・PFOAの土壌地下水汚染ソリューション
このように、PFOS・PFOAに関する規制等、国の対応も早まってきており、現時点では暫定の指針値や測定方法が示されていますが、国内外の動向をふまえ、今後は法規制等の動きにより、さらなる対応を求められることが想定されます。

・PFOS・PFOAは、これまでの土壌汚染対策法の特定有害物質とは、土壌・地下水汚染のメカニズムが異なること、ng/L単位での評価が必要(コンタミネーション防止)となること等、物質の特性を踏まえた調査手法の検討が必要となります。

・国際航業では、これまでの土壌汚染調査・対策の他に、PFOS・PFOAに関する数多くのコンサル・調査・対策実績も有しております。

・汚染が確認された場合の原位置浄化対策についても技術開発・研究を行っており、 PFOS・PFOAを含む排水や地下水の処理に対する対応実績も有しております。

・PFOS・PFOAの物性や法規制の動向等を踏まえ、事業所の条件に応じた最適な対応をご提案します。

また、このたび国際航業は、㈱流機エンジニアリングとPFOS・PFOAの処理に有効な高精度吸着式水処理装置 ECOクリーンLFPに関する販売店契約を締結しました。
※ニュースリリースはこちら
これまでのPFOS・PFOAに関する数多くの実績に加え、今回の販売店契約により、調査から対策・リスクコミュニケーションまで一連のサービスを強化し、お客様の環境課題を解決するためのソリューションを提供してまいります。

担当は防災環境事業部フロント営業部の山村正樹でした。