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Satellite Imagery衛星画像 ブログ

衛星データで災害対応を加速!JA共済連と連携し迅速な「建物全損範囲の推定」に関する実証プロジェクトを実施しました

2025/11/25

製品情報

近年、大規模な地震や津波、豪雨など、甚大な被害をもたらす自然災害が多発しています。
被災された方々にとって、その後の「生活再建のスピード」は非常に重要です。特に、共済金や保険金の支払いが迅速に行われるかどうかは、早期復興の大きな鍵となります。

しかし、従来の現地調査に頼る方法では、広範囲の被害状況を把握し、「全損」を一件一件認定するまでに時間がかかってしまうのが現実でした 。

この課題を解決するため、国際航業は全国共済農業協同組合連合会(以下JA共済連)と連携し、内閣府の「令和6年度 課題解決に向けた先進的な衛星リモートセンシングデータ利用モデル実証プロジェクト」に採択され、複数衛星データを活用した迅速な建物全損認定に向けた実証を実施しましたので、お知らせいたします。

◆衛星データが「被害エリアの特定」に貢献する

本プロジェクトは、災害発生後に上空から被害状況を把握できる「SAR(合成開口レーダー)衛星データ」や光学衛星データなどを活用し、共済金・保険金支払いに直結する「建物全損範囲推定」を目指しました 。

実証では、被害の性質が異なる津波被害(平成23年東日本大震災のデータを使用)と地震による建物倒壊被害(令和6年能登半島地震のデータを使用)の2パターンで検証を実施しました 。

◆衛星データ活用の未来!大きな社会貢献へ

この実証で検討した「建物全損範囲推定」は、大規模災害時の対応を劇的に変える可能性があります。

1. 災害対応のスピードアップ

従来、現地調査に時間を要していた支払いプロセスを、衛星データによって得られた被害エリア情報で大幅に短縮できます 。これにより、従来と比較して発災後わずかな期間から共済金・保険金の支払い業務に着手できると想定されています。早期の共済金支払いは、被災された方々の生活再建を力強くサポートします。

2. 業務コスト・負担の最適化

現地調査が必要なエリアを衛星データから絞り込むことができ、調査体制の構築を効率的かつ迅速に行うことが可能となります。これにより、大規模災害時でも調査リソースを集中させ、業務コストの大幅な圧縮も見込まれます。

国際航業が目指す「未来の防災」

本プロジェクトにより、衛星データ活用による災害時の迅速な被害範囲把握と全損範囲推定業務の効率化の可能性が示されました 。

国際航業は、この成果を活用するとともに、本事業でみえてきた課題も踏まえ、JA共済連をはじめとする共済・損害保険業界の皆様に向けたソリューション提供を進めて参ります。

弊社は、「情報をつなげる力で、人・社会・地球の未来をデザインする」 をビジョンに、最新のリモートセンシング技術と知見をもって、安心安全な社会の実現に貢献して参ります。

Satellite Imagery 衛星画像
国際航業では、航空写真以外にも各種衛星画像を活用したリモートセンシング技術の向上に積極的に取り組んできました。今日では、人工衛星画像を用いた空間計測技術は、空間情報を取得する当社のコアテクノロジーの一つとなっています。

近年打ち上げられる衛星は、高解像度化が進み、米国のWorldView-3衛星をはじめとする30cm級の超高解像度衛星や、雲や夜間でも観測できるSAR衛星が日本を始め世界各国で打ち上げられています。

また、コンステレーションと言われている複数衛星を運用している企業も出現し、米国PLANET社のように常時130機以上で一日一回以上地球のあらゆる箇所を観測しています。今後も小型衛星群によるコンステレーション運用が多数計画されており、衛星画像の利用機会拡大が期待されます。

当社では、リモートセンシング技術による空間計測サービスとともに、これらの衛星画像データの販売代理も行っております。