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屋内外位置情報 ブログ

屋内外側位技術を利用した”入室検知/進入検知”による安全管理支援

2023/02/06

ホワイトペーパー

製造工場、物流倉庫、工事現場等を対象に様々な用途で屋内外測位技術が利用され始めていますが、主な用途の一つに「入室検知/進入検知」があります。国際航業株式会社でも、Quuppa Intelligent Locating System(以降、Quuppa)やBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンを利用した入室検知/進入検知の導入事例が複数あります。このホワイトペーパーでは、顧客への導入事例を踏まえて入室検知/進入検知による安全管理の導入目的や利用方法を紹介するとともに、導入する際の技術的な注意点について紹介します。

“入室検知/進入検知”とは

屋内外測位技術を利用した“入室検知/進入検知”では、まず測位システムや上位アプリケーション上で検知対象とするエリアを設定します。そして、トラッキング対象である作業員の位置が設定したエリア内に入ると、測位システムや上位アプリケーション上で“作業員が設定したエリアに入室/進入した”と判定することにより実現します。この技術は「ジオフェンシング(Geo Fencing)」と呼ばれており、ある特定のエリアにいるユーザに広告等を発信する際にも利用されています。Quuppaを利用して入室検知/進入検知を行う場合は、Quuppaのソフトウェア上で「ゾーン」と呼ぶエリアを自由に作成することが出来、判定に利用することが出来ます。
“入室した/進入した”と判定された情報は、作業者自身への注意喚起アラートに利用したり、管理者に入室情報/進入情報として通知することができます。また、入室時刻や入室者をログとして残すことに活用することも出来ます。

導入事例①:大手自動車部品メーカー

製造工場の中では、事故が発生しやすいエリアやセキュリティや安全性等の観点から入室に制限があるエリアなど、注意喚起が必要な様々なエリアが存在します。某大手自動車部品メーカーでは、屋内測位技術を用いてそれらのエリアへの入室/進入を検知した際にスマートフォンアプリを介して音声でアラートを発出することにより注意喚起を行っています。また、対象エリアへの入室の回数を自動記録し、入室状況の管理に役立てています。

導入事例②:鉄道事業者、鉄道工事事業者

鉄道工事の分野では、線路や設備の敷設・交換工事等を行うにあたり安全性確保や資材や重機のモノ忘れ防止の観点から作業エリアが設定されており、そのエリアから作業員が外れることを規制しています。そのため、様々な技術を用いて作業外エリアへの立ち入りを検知し、事故を未然に防ぐ取り組みが行われており、当社でも屋内外測位技術を利用した作業外エリア進入検知の実用化に向けた取り組みに技術面から支援を行っています。

技術的な注意点

入室検知/進入検知を正確に行うためには、測位精度が大きく影響します。BLEビーコンやWi-Fiの電波を用いる屋内測位システムの場合、測位精度は数mレベルになります。検知エリアが広い場合は数mの測位誤差があっても検知の正確性に影響しない可能性がありますが、検知エリアが狭い場合や検知エリアの形状が細かい場合は、出力電波の設定を弱くする等の工夫が求められます。屋外で利用する場合はGPSの利用が考えられますが、GPSも測位精度が数m以上となるため、狭いエリアでの利用には適しません。Quuppaで採用しているAoA(Angle of Arrival)という測位方式やUWB(Ultra Wide Band)を用いた高精度測位システムの場合、コストは前述の方式よりも掛かりますが、1m以内の測位精度が実現可能なため狭いエリアや形状が細かいエリアでも正確な検知が可能になります。このように、測位方式によって特徴が異なるため、目的や用途に応じた選択が必要になります。

国際航業が提供するソリューション

国際航業では、測位システムとしてAoA方式により高精度な測位が可能な「Quuppa」と、主にBLEビーコンやGPSを用いて簡易に屋内外測位環境の構築が可能な「Genavis測位ライブラリ」を保有しており、予算、利用用途、性能要求、利用条件等を踏まえて最適な測位システムを提供しています。
例えば、測位精度は粗いが検知エリアが広く、簡易かつ安価に開始したい場合は「Genavis測位ライブラリ」を利用頂き、検知エリアが小さく高精度が求められる場合は「Quuppa」を利用頂く事が多くあります。また、コストや測位精度以外にも機器の設置要件、作業員に携行頂く機器の要件など様々な条件が存在します。ご気軽にお問い合わせください。

屋内外位置情報ソリューション
国際航業のソフトウェア、要素技術を組み合わせてソリューションをご提案します。
物流現場での作業効率化/商業・小売施設での動線解析/医療・福祉施設でのリアルタイム位置把握/建設現場での作業効率化