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気候変動政策ブログ・環境通信

環境通信 Vol.207 COP27閉幕~今後の気候変動対策の動向~

2022/11/01

コラム

COP27閉幕~今後の気候変動対策の動向~

防災環境事業部フロント営業部 太田 史人

今月は先日まで開催されていたCOP27の話題と、2件のウェビナーの案内をさせて頂きます
(①CDP質問書全3テーマ解説ウェビナー※、②法改正を受けたアスベスト調査解説ウェビナー)。

※当社は、CDP「水セキュリティ」「フォレスト」のスコアリングパートナーです。スコアリングパートナーとしての経験も踏まえ解説します。

今月11月6日から気候変動対策を話し合う国連会議(COP27)がエジプト東部、シャルムエルシェイクで開催されました。昨年、英国のグラスゴーで開催されたCOP26では「グラスゴー気候合意」が採択され、抑えるべき気温の上昇幅を「2度未満」としたパリ協定よりも踏み込んだ「1.5度未満」が明記されたことが「歴史的」とされたため、それに続く今回のCOP27でどのような合意がなされるか、注目されました。

COP27における合意文書のポイントは以下のようなものです。

「損失と被害」に対応する基金を創設し、特に脆弱な途上国を支援
気温上昇を1.5度に抑える更なる努力を追求する
1.5度目標の達成には30年までに温暖化ガス排出量を19年比43%削減が必要
23年末までに各国が排出削減の30年目標を再検討、強化する

「損失と被害」はCOP27で初めて正式な議論になりました。長い間途上国が求めてきた内容で、途上国を支援する基金の創設で合意しました。

産業革命前からの気温上昇が1.5度を超えると災害リスクが大幅に高まると予測されており、昨年までに1.1度以上の気温上昇が起きています。
「1.5度目標」達成のためには産業革命以降のCO2排出量を計2兆8,000億トンまでに抑える必要がありますが、2019年までに既に2兆4,000億トンを排出しており、残りの許容排出量は4,000億トンです。
世界の年間排出量は400億トン程度である事から、このままでは2030年までに許容される排出量を超えてしまう可能性があります。

「1.5度目標」の達成のため、温暖化ガス排出量を30年に19年比で43%削減する目標が示され、各国に「23年末までに目標を再検討して強化するよう要請する」と盛り込まれています。
企業においても、より一層の取組および情報開示が求められる事となりそうです。

同様に、生物多様性の問題についても気候変動と密接に関わっており同時に解決する必要に迫られている事から、12月に開催されるCOP15において、どのような国際目標が設定されるかにも注目したいところです。

国際航業は気候変動対策はもちろん、気候変動の取組を開示するCDP回答の支援等を行っております。CDP回答支援においては、CDP「水セキュリティ」および「フォレスト」のスコアリングパートナーとしての経験を踏まえ、全3テーマの全てでご支援が可能です。
ご興味がございましたらぜひお声がけを頂けますと幸いです。また、下記に12月開催予定のウェビナーのご案内をさせて頂きます。
ご都合が良い方はご参加いただけますと幸いです。
(終了しました)

担当は、防災環境事業部太田でした。