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気候変動政策ブログ・環境通信

環境通信 Vol.203 防災は誰のため?気候変動適応と防災・減災を結ぶ(『防災×環境』シリーズ②)

2022/07/01

コラム

防災は誰のため?気候変動適応と防災・減災を結ぶ(『防災×環境』シリーズ②)

防災環境事業部 防災ソリューション部 大津 拓也

今年の梅雨は非常に短く、各地で最短記録が更新されましたが、梅雨明け後も全国で大雨が降り、水害や土砂災害が発生しています。

1.投資家向けの”気候変動に関する情報”の開示

2022年の東京証券取引所の市場再編に伴うコーポレートガバナンス・コードの改定では、サステナビリティの観点から、TCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく情報開示の質・量の充実が求められています。
今後は、気候変動の物理的リスク(代表的なものは浸水等の水災害)とそのリスクのマネジメント方法を評価し開示することが必要になります。「気候変動の物理的リスク」という言葉はTCFD表記に準拠していますが、これは「自然災害リスクの把握」と「防災・減災の取り組み」と読み替えることができると考えられます。
ここ半年ほどで、TCFDと防災・減災の取り組みに関するご相談が増加していることから、関心が高まっていることが伺えます。

2.投資家向けである以前に、自社・地域のために

例えば、製造業が事業所の防災・減災を施す目的は「従業員の生命、地域の環境、他者の生命・財産を傷つけないため」です。これは事業継続以前の重要な目的であり、また事業継続(=生産を続ける・早期に復旧する)に不可欠です。
「このようなことを考えていない企業には投資が集まらなくなります」、というのがTCFDの本質であると考えています。
従業員や地域、そして投資家のことを考えると民間企業の防災には次の2つの要素が求められます。

「被災者にならない、被災者になったとしても加害者にはならない」は予期できるリスクを適切に管理し、「被害を最小限に防ぐ」、ということを念頭に置いています。
たとえば「ハザードマップを確認して対策を施す」、などが該当します。
一方で、「想定外があることを想定する」も重要です。予期できないことや、BCPの想定するシナリオ通りではないことが起こることも考えておく必要があります。
この場合は、その情報を速やかに収集・整理し、経営レベルを含む意思決定が必要となります。

3.国際航業の防災・減災ソリューション

国際航業では詳細な防災・減災の支援として、オーダーメイドでのリスク評価の実施に加 えて、現地での防災コンサルティングを提供しています。
防災コンサルティングは担当者とのコミュニケーションを重視した情報提供を行っています。
また、リアルタイムの災害情報と各社の拠点情報を自動的にマッチングするBois/防災情報提供サービスもご提案しています。
皆様の企業の安全性・事業継続に必要な対策について、ご相談やご質問がございましたら、営業担当者または技術担当者までお気軽にご相談を頂ければと思います。

担当は、防災環境事業部 防災ソリューション部 大津拓也でした。