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気候変動政策ブログ・環境通信

環境通信 Vol.204 生物多様性だより~身近に感じる生物多様性~

2022/08/01

コラム

生物多様性だより~身近に感じる生物多様性~

公共コンサルタント事業部 環境保全部 小野寺 遼

今回は「生物多様性だより」と題しまして、肩の力を抜いた生物多様性に関する話題をお届け致します。

ネイチャーポジティブの達成に向けて民間企業様による取組が重要視されている今、皆様におかれましても将来を見据えた対応をご検討されていることと存じます。
一方で、世界規模の取組であるが故のスケールの大きさや評価の難しさ等から、生物多様性を具体にイメージし、身近に感じる機会は少ないのではないかと思います。

そんな時には、是非お近くのフィールドへ目を向けてみては如何でしょうか。

当社では国や自治体、民間企業様による生物調査を実施しており、調査でフィールドを歩いていると、生物をめぐる多くの出会いがあることに気づかされます。

こちらに全く気が付かず足元で餌を食べ続けるリスに出会ったり、、、
(最後ピタッと静止し、ハッと見上げて目が合った瞬間がとても可笑しかったです)
真っ白な植物が、実は光合成を全くしない種類だったり、、、
(教科書の知識がひっくり返りました。近くの野山にも普通に生育しています)
樹林を歩いているといい香り(じゃ香に似た匂い)がしてきたり、、、
(正体はコガネムシの仲間、香りだけでその存在が分かります!) 等々

リスとの楽しい出会いや不思議な植物を知ることは、生態系サービスでいうところの「文化的サービス」に該当します。また、「じゃ香(ムスク)」は元々ジャコウジカから採れる動物性香料であり、この昆虫との出会いから「供給サービス」を感じることもできます(昔の人もシカがいい香りだと思ったのでしょうか)。

このように、現地のフィールドで興味を持ち直接生物多様性に触れると、デスクワークで固まりがちな思考が解れてリラックスできるとともに、原点ともいえるフィールドワークで得られる気づきの大切さを改めて実感します。

今年のCDP気候変動質問書における生物多様性に関する質問の新設、TNFDβ版の公表等、民間企業様における生物多様性への取組は益々気運が高まっています。取り組むべき課題への対応で、お忙しい日々を送られているご担当者様も多いかと存じます。

ようやく暑さも和らいできたこの頃、是非皆様におかれましてもお近くのフィールドへ足を運び、身近な「生物多様性」に触れてみては如何でしょうか。生物多様性の恵みとの出会いでリラックスするとともに、これからの取組に対して新しい気づきがあるかもしれません。

また、民間企業様の敷地やその周辺での生物多様性の現状が知りたい、という課題をお持ちの方は、是非当社営業担当までご相談ください。生物調査の結果を分かりやすくお伝えするだけでなく、その特徴と皆様の事業との関連性の整理や、その結果を踏まえた今後の取組へのご提案もさせて頂きます。

担当は、公共コンサルタント事業部 環境保全部 小野寺 遼でした。