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2024-10-29
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2024-06-24
経営/財務
2020/01/01
コラム
環境保全部 解析・水文G 三家本 史郎
今年の冬は、例年になく雪が少ないようです。“雪不足”と聞くと、私は山の水を想像します。雪や雨は、地下にしみこむことで山の水(地下水)となり、川へ湧き出て川の水となるからです。
申し遅れましたが、私は地下水を専門とする三家本(みかもと)と申します。
長らく地下水に携わっていますが、日々自然のもつ多様性に驚かされています。
【地下水と水資源】
例えば、日本は水が豊富な国だと思われるかもしれませんが、国土は山地が多く、川が急峻なため、降った雨はすぐに海へ到達してしまいます。人口も多く、世界平均の2倍の降水量を持ちながら、一人当たりの水資源量は世界平均の半分となっています。
そこで、頼りになるのが、不安定な気象条件でも安定的に採取できる“地下水”になります。
日本では、工業用水や水道用水の約4割を、地下水で賄っています。
水道水源の100%を、地下水で確保している地域まであります。
富士山に降った雨が、地下水となり、数十年をかけて下流で湧水となって湧き出るように、地下水は長い時間をかけて育まれます。福岡県うきは市では、地下水が地下に留まっている時間を調べた結果、山地部で約50年と推計しています。
しかしながら、地下水は地下にあり目に見えないことから、市民生活において、身近に感じることは少ないかもしれません。川に比べて地下水の流れはとてもゆっくりなのも、意識しづらい理由かもしれません。
そのため、企業活動で関係する地下水を対象に、その状況を“可視化”するだけでも、環境に取り組んでいる企業としてアピールすることができます。そういった取り組みを、CSRを超えて、ブランディングに活用している企業もあります。
【地下水とSDGs】
さらに近年は、持続可能な開発目標(SDGs)が、企業の目指すゴール(方向性)として注目されています。CSVとしてだけではなく、ESGとして環境に積極的に取り組むことで(たとえば、地下水をきちんと可視化することで)、SDGsの目標の一つである“節水”や“水質改善”に取り組んでいる企業として、評価される時代になっています。
弊社は、地盤沈下(地下水障害)に日本で最初に取り組み、それ以降も企業や地域の方々と、一緒になって地域の未来(社会)を考えてきた企業です。
地下水の流れや、地下水揚水の将来的な可能量に関して、不明な点などありましたら、何なりとお尋ねいただければと思います。
少しのきっかけで、私たちは、私たちの未来(社会)を良くすることができます。大げさに言うなら、地下水の未来とは私たちの未来、なのかもしれません。
担当は、環境保全部 解析・水文Gの三家本(みかもと)でした。
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