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気候変動政策ブログ・環境通信

環境通信 Vol.120 Monthly Report

2015/06/01

コラム

Monthly Report

技術本部(地盤環境研究担当) 中島 誠

●AquaConSoil 2015参加レポート
2015年6月9日~12日にコペンハーゲン(デンマーク)で開催された土壌汚染対策に関する国際会議”AquaConSoil 2015”に参加し、ポスターセッションにて発表を行いました。

■AquaConSoilは2年に1回、欧州各国が集まり土壌汚染対策に関する制度、技術等を情報交換し合う場であり、今回も欧州各国を中心に、アメリカ、アジア、オセアニアの各地域から、規制当局(環境省)、産業界、研究者(大学、研究所)、コンサルタント会社、浄化会社といった幅広い立場から参加者が集まりました。

■今回の会議では、サステイナブル・レメディエーションの考え方と評価方法、有害物質を含む土壌の再利用などに注目して、各国からの発表を聴講しました。

■土壌汚染対策を行った後に如何に持続的に土地や土壌を使っていくか、各国が今後土壌汚染とどう付き合っていくかという観点での発表や討議が多く行われていました。

■当社は、ポスターセッションにて”Development of Sustainability Evaluation Method for Soil Remediation in Japan”(日本における土壌浄化のための持続可能性評価方法の開発)を発表し、日本の土壌汚染対策にサステイナブル・レメディエーションの概念を取り入れる場合の評価方法の枠組みや評価項目についてイギリスやデンマーク等の研究者らと意見交換しました。

●持続可能な浄化(サステイナブル・レメディエーション)
近年、土壌汚染対策における新しい考え方として、”Sustainable Remediation”(SR)という概念が出てきており、欧米を中心に各国に合ったフレームワークや評価方法の開発が行われています。

■今回のAquaConSoilにおいても、SRについて多くのセッションが設けられ、各国から多くの発表がありました。

■SRは環境、経済、社会の三つの面でバランスがとれた持続可能性の高い土壌汚染対策を実施しようとする概念です。

■SRについては、2013年に米国材料試験協会(ASTM)によりSRのための標準ガイド(ASTM E2876)が規格化されており、国際標準化機構(ISO)においても第190技術委員会(TC190 “Soil Quality”)でSRのガイダンスの規格化作業が進行中です。

■当社は、日本の社会条件に合ったSRを評価する方法を社会的に構築すべく、研究を行っています。

担当は、技術本部(地盤環境研究担当) 中島 誠でした。