English

MIRAIT ONE GROUP

不動産情報 ブログ

不動産情報ライブラリを業務で活用しましょう 「人口情報」編

2024/07/01

コラム

はじめに

当社でも以前ブログにて取り上げました「不動産情報ライブラリ」。すでに多くの方が利用されていると思いますが、今回は業務で活用するためのアイデアをお伝えします。

改めて「不動産情報ライブラリ」とは、不動産取引価格や地価公示、防災、都市計画、周辺施設など、不動産に関するさまざま情報を一つの地図画面上で閲覧できる国土交通省のWEBサイトです。これまでは、このような情報は国や自治体が各々の形式で公開しており、それぞれを閲覧する必要がありました。「不動産情報ライブラリ」ではこれらの情報を集約し、同じ地図上で重ね合わせて閲覧できます。

「不動産情報ライブラリ」では「価格情報」「地形情報」「防災情報」「周辺施設情報」「都市計画情報」「人口情報」の6種類の情報を無償で公開しています。

今回の記事では、「不動産情報ライブラリ」の「人口情報」を取り上げ、業務で活用することのメリットや課題、そしてGIS(地理情報システム)上でのより有効な活用方法を当社パッケージ製品である「Earth Finder Plus不動産」の紹介を交えながらご提案いたします。

1. 不動産情報ライブラリ「人口情報」の不動産業務上での活用メリット

1.1 全国の人口/将来推計が500mメッシュで閲覧

現在・将来の人口を視覚的に確認できるため、新規不動産開発、テナント入替、物件購入・売却、周辺の人口動態のデータを元に意思決定の判断材料として活用できます。

1.2 将来の推計人口と周辺環境の関係性を把握

仮に行政区単位では人口が減少傾向でも、より細かい地域で見ると、増加地域と減少地域とがある場合があります。細かい地域での将来推計人口と防災情報や周辺施設情報などを重ねて見ることで、増加地域と減少地域の特性が浮かび上がる場合があり、有望な事業地の発見により説得力・納得感のある提案が可能になります。

1.3 駅毎の乗降客数を地図上で閲覧

人の動きが活発な都市部での不動産開発では、住宅・商業建物のいずれにおいても、事業地近隣駅の利用者数の増減などは、事業を検討する上で重要な指標の1つです。「不動産情報ライブラリ」では、過去10年の駅の乗降客数を地図上で簡単に閲覧することが可能です。

2. 不動産情報ライブラリ「人口情報」の不動産業務利用における課題

2.1 情報の鮮度

サービスサイト上では人口統計および将来推計人口は2015年時点、駅乗降客数は2020年時点のデータが提供されています。そのため、直近の人口動態に基づき判断する際には注意が必要です。

2.2 より詳細な分析

サービスサイト上では0〜14歳、15〜64歳、65歳以上の3つの区分に分けて人口統計を閲覧できますが、分析ではより細かなセグメントが必要な場合があります。

2.3 地理的特徴の反映

500mメッシュでの人口分析が適さない場合があります。地域内の異質性(公園や山林のように居住不可能な条件など)がある場合や、メッシュ内の人口分布が均等でない場合は、分析結果が不正確になることがあります。

2.4 将来人口の推移

サービスサイト上では、将来推計人口を年次毎の界面グラフと表で閲覧できますが、2025年・2040年などのように2時期での世代別人口推移などを直感的に把握するための視覚的な表現は提供されていません。

3. 不動産情報ライブラリAPIをEarth Finder Plus不動産で活用

不動産情報ライブラリの「人口情報」と同様の情報は、国土交通省からAPIとして提供されています。当該APIを当社Earth Finder Plus不動産に組込み利活用することで、以下のような情報活用が可能となり、不動産業務での立地評価や合意形成などがよりスムーズに行えます。

3.1 評価目的に適した表現や区分で人口統計を利用する

不動産情報ライブラリと同じ国勢調査の最新版や、性別年代別、居住種別、産業種別などで区分した人口統計をEarth Finder Plus不動産で利用することができます。各事業のターゲットに適した区分で人口統計を利用することで、より精度の高い立地判断や市場ニーズに応じた企画・提案が可能となります。

3.2 比較したいエリア同士で人口を集計して表現する

Earth Finder Plus不動産において、駅やランドマークを起点に半径100m圏や徒歩10分圏などで集計範囲を設定する機能を備えております。商業施設や集合住宅の事業地を選定する際に、各候補地の最寄り駅徒歩10分圏を範囲とした人口の属性を分析することで、より直感的に立地特性を比較することが可能となります。

3.3 最新版や目的に適した類似データを採用する

Earth Finder Plus不動産では、不動産情報ライブラリの人口統計データと同じ国勢調査データの最新版の他、1年周期で更新される住民基本台帳統計データ、短期周期で人の移動傾向を捉えた流動人口推定データなどからユーザーの予算と目的に合わせたデータを取込ことができます。これにより、より詳細な市場分析や動向を把握でき、判断指標として、より信ぴょう性・信頼性の高い情報取得ができます。

3.4 自社物件情報と地図上で重ねて人口情報を見る

Earth Finder Plus不動産でユーザー自身で任意の物件データを地図上にマッピングすることができます。物件を中心とした同心円内の人口動態の分析を行い、その他の複数物件でも同じ範囲条件で人口動態を比較でき、物件の価値を相対的・総合的に評価し、効果的なマーケティング戦略を立案できます。

終わりに

「不動産情報ライブラリ」は不動産業務において非常に有用なツールですが、そのコンセプトはあくまでも消費者の情報収集を支援することを目的としたものです。そのため、業務で利用することはできますが、いくつか注意すべき課題があると考えます。

「Earth Finder Plus不動産」は、これらの課題を解決するのにとても役立つサービスです。さらに、貴社の業務効率化をサポートする多彩な機能を兼ね備えています。ご興味ございましたら、ぜひお試しください!

Earth Finder Plus不動産
Earth Finder Plus不動産は、不動産に特化したエリアマーケティング地図システムです。
地図上での物件管理はもちろん、多様な地理データで物件や市場を見える化。
確度の高い事業判断の為のデータ活用をサポートします。