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住所正規化コンバータ ブログ

住所表記・住居表示のゆれとは?ゆれの統一やクレンジングをする方法とは?

2024/02/26

コラム

昨年6月、デジタル庁大臣の発言がテレビ番組でも紹介されたことにより、日本の住所表記の複雑さがクローズアップされたことに端を発し、住所表記の統一の重要性が再認識され、デジタル庁が進めているアドレス・ベース・レジストリの整備への期待が高まり、住所の統一に向けた動きも加速しており、この動向が住所情報における統一性向上にどのように寄与するか、注目が集まっています。

1. 日本の住所表記/住居表示の複雑さの背景・理由

日本の住所表記/住居表示は、歴史的背景や地域性、文化的要素が複雑に絡み合っています。例えば、同じ市内でも「丁目」の表示がなかったり、「番地」の表記がなかったりと、地域性により住所の表記に違いがあります。
また、同じ地域内の同一住所であっても登記上の「地番」と住居表示上の「番地」が異なるケースがあるなど、住所の表示方法は統一されていません。
これは、都道府県、市区町村、さらには地域独自の呼称や丁目番地の表示が混在していたり、異なる行政機関の間で使用する住所表記が統一化されていないためです。それぞれの具体的な要因は以下の通りです。

歴史的・文化的背景

日本の住所表記には、江戸時代以前からの伝統的な地名や、地域ごとに異なる慣習や呼び名が存在しており、それらの文化的背景を継承するために古くから存在する地名を残すことで、住所表記の統一化に影響を与えているケースがあります。

地域性の差異

都市部においては住居表示法に基づく住居表示(丁目-番地-号)の整備が進められていますが、近郊地域では住居表示の未整備の地域(大字-番地)が残されている場合も多く、同じ行政地域内においても住所の表記方法が混在している事例が多数あります。

法的な規定

地名や住所に関する法的な規定も存在し、これが地方自治体や国の政策によって影響されています。法的要件が変わるたびに、住所の表記方法も変更されることがあります。

都市計画の進化

都市の発展や再開発など、都市計画の進化も住所の複雑さに影響を与えています。新しいエリアや施設が造成されることに伴って新たな住所が発生し、既存の住所体系とは異なる住所表記が組み込まれることがあります。

2. 住所表記/住居表示のゆれの例

住所表記/住居表示のゆれは様々な要因によって引き起こされ、それが地域ごとに異なる表記方法や規則に反映されています。
以下に、一般的な住所表記のゆれの例をいくつか挙げてみます。

a. 番地や丁目の表記ゆれ

例: 一丁目一番地一号、1丁目1-1、1-1-1、1の1の1、1-1-1

b. 町名の表記ゆれ

例:東京都千代田区丸の内、東京都千代田区丸ノ内
例:東京都千代田区霞が関、東京都千代田区霞ケ関

c. 地名の省略や略称の利用

例:〇〇郡省略、都道府県名の省略、支庁名の省略、大字・小字の省略
例:札幌市中央区北3条西6丁目⇒札幌市中央区北3条西6

d. フォーマットの違い:CSV形式の場合、カンマの位置の違いで形式が崩れる

例:東京都,新宿区,西新宿,1-1-1 
  東京都新宿区,西新宿1-1-1
  東京都,新宿区西新宿1,1-1

e. 漢字やひらがな、カタカナの混在

例:埼玉県さいたま市、山梨県南アルプス市
例:群馬県太田市スバル町、愛知県豊田市トヨタ町、大阪府池田市ダイハツ町
例:昔は漢字だった地名がひらがなに変わったもの
  磐城市⇒いわき市、龍野市⇒たつの市、など

これらの例からも分かるように、住所表記/住居表示のゆれは多岐にわたり、それが住所情報を取り扱う業務において特定できない等の課題が発生しています。デジタル技術の進歩や統一の取り組みにより、これらの課題への対応が進んでいますが、なお改善の余地があるとされています。

3. 住所表記/住居表示のゆれが引き起こす実際の問題

企業やビジネスが住所情報を扱う際、異なる表記方法やフォーマットの住所が混在すると、データの統合や分析が困難になり、ビジネスプロセスが複雑化します。
また、住所表記/住居表示のゆれが引き起こす実際の問題は、さまざまな分野で影響を及ぼします。
そこで、その具体的な問題をいくつか挙げてみましょう。

物流や配送の混乱

住所の表記が揺れると、物流や配送において正確な配送先を特定・共有することが難しくなります。番地や丁目の表記ゆれがあると、配送先の正確な場所を特定することが困難になり、誤配や遅配、場合によっては未配達といったトラブルが発生する可能性があります。

マーケティング分析の信憑性の低下

市場動向を分析するマーケティングにおいて、顧客と店舗の関係性を紐付ける際に住所情報に正確さが掛けていると、商圏設定の信頼性と分析結果の信憑性が損なわれてしまい、売上予測や販売計画にも実態とのズレが生まれてしまい、その分析結果が経済的にも影響を及ぼす可能性があります。

不動産情報の正確性の損失

不動産業界では、登記住所の正確な情報が重要となりますが、不動産取引時に住所表記が異なることで、対象物件の正確な所在地の特定や周辺環境の情報を把握する際に混乱し、不動産取引における労力と時間を損失するリスクが生じる可能性が高まります。

本人確認(eKYC)時の不整合

金融業界では口座開設時は支払い時に本人確認を行う際に、本人が届け出た書面等の住所と身分証等に記載されている住所を照合する必要がありますが、その際の住所表記の違いがあることで、本人確認作業に時間と労力を要するケースがあり、場合によっては、口座開設や支払いに支障が生じるケースがあります。

これらの問題からも分かるように、住所表記/住居表示のゆれは社会的な様々な側面に影響を与え、効率や正確性を損ねる可能性があります。そのため、住所表記の統一やクレンジングの取り組みが進められています。

4. ゆれの統一やクレンジングをする方法とは?

様々な要因でバラバラな住所表記を統一化したり、クレンジングする方法としては、フリーソフトや有料ソフトなど様々なツールやWebサービス等がありますが、国際航業が提供する「Genavis住所正規化コンバータ」は、売り切りのパッケージ製品となりますので、オンプレミスでセキュアな環境下でご利用いただくことが可能です。
また、パッケージ製品でありながらも他のシステムと連携するためのAPIを収録していますので、お客様が使用されている既存システムの複数クライアントと連携してご利用いただいたり、お客様ご自身がサービサーとして外部向けのクレンジングサービスの展開にもお役立てできます。
初版のリリースから15年以上の実績があり、多種多様の業種・業態のユーザー様において、様々なビジネスシーンでご利用いただいており、ご評価いただいておりますので、この機会に住所正規化コンバータを利用してお手元にある顧客情報や店舗情報の住所表記のゆれを吸収してクレンジングを行い、業務効率の最適化・省力化をご検討願えましたら幸甚です。

 
なお、昨年日本の住所のヤバさが注目された際、プログラム開発元であるジャスミンソフトの贄社長が、住所表記の統一に関してGenavis住所正規化コンバータを活用して、実際のゆれを解消できるか検証をおこないました。
結論から申し上げると、検証したすべての住所のゆれに対応できることが確認されました。詳細はこちらのブログからご確認ください。

 
また、実際に住所正規化コンバータを使用して、様々な住所表記のゆれを吸収してクレンジング出来るのか試していただくオンラインデモもご用意していますので、ご興味がある方は、こちらからお試ししていただけるとありがたく存じます。

オンラインデモ

Genavis 住所正規化コンバータ
〈1丁目1番地1号〉や〈1-1-1〉のような住所の「表記ゆれ」をはじめ、市町村の合併前後の住所、通称や通り名、丁目や番地といった表記を統一して正規化。
正規化した住所情報に緯度/経度の座標を付与(ジオコーディング)し、GoogleMapsや地図システム(GIS)等でご活用いただくことも可能です。