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MIRAIT ONE GROUP

2024/04/22

お知らせ

国土交通省「令和5年度 海の次世代モビリティの利活用に関する実証事業」で、水中ドローンによる港湾施設の点検技術に関する評価検証を実施

2024年4月22日

国際航業は、神戸市、株式会社FullDepth(代表取締役社長CEO:吉賀 智司、以下「フルデプス」)とともに、国土交通省総合政策局海洋政策課が公募した「令和5年度 海の次世代モビリティの利活用に関する実証事業」に参加しました。実証実験は、水中ドローンによる港湾施設の点検技術に関する評価検証として「ROVを用いた矢板の高圧洗浄・肉厚測定に関する検証」を阪神港神戸区で実施しました。

■本実証実験の目的

老朽化が進行する港湾インフラについて、ROV(Remotely Operated Vehicle※1)を用いた高圧洗浄および肉厚測定による鋼構造物の健全性確認手法を確立することで、潜水士の減少・人手不足という状況でも効率的な維持管理調査が可能であることを示す目的で実施しました。

■実証実験の内容

(1)ROVによる港湾施設の点検部材に付着した海生生物等の除去
ROVに高圧洗浄機※2を搭載し、目標とする鋼管矢板の深さまで移動。鋼管矢板に付着した付着物(海生生物等)の高圧洗浄による剥離除去が可能であることを検証しました。
(2)ROVに搭載したマルチビームソナーと深度センサ―、カメラにより、(1)で付着物を除去した箇所を特定し、ROVに搭載した肉厚測定器で鋼材の肉厚測定が可能なことを検証しました。またROVによる肉厚測定データと潜水士による測定データを比較することで肉厚測定精度の検証をしました。
(3)上述の作業時間、肉厚測定結果を記録し、作業効率と調査コストについて検証しました。

※1:FullDepth社製DiveUnit300
※2:水中の付着物等を除去するために、ROVに搭載して利用することが可能な国産高圧洗浄機

令和5年度 海の次世代モビリティの利活用に関する実証事業_使用機器

高圧洗浄機作業とROV肉厚測定

左:高圧洗浄機による付着生物等除去/右:ROVによる肉厚測定

潜水士による肉厚測定

潜水士による肉厚測定

実証実験の結果、作業効率については、潜水士が1日で標準的に実施する測定箇所数をROVでも同様に調査できることを確認しました。また測定値については、潜水士と同等の精度で測定できることを確認しました。さらに調査コストについては、従来手法と同程度の経済性で実施できる事を確認しました。これらのことから、本実証実験の目的であるROVを用いた効率的な維持管理調査が可能であることを実証できました。

当社では、今回の実証実験を踏まえ、作業性、安全性の向上や多様な現地環境での検証をさらに積み重ね、水中インフラの点検・維持管理に有益な調査技術の開発を行ってまいります。

▼2024年3月5日成果報告会 (国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/ocean_policy/sosei_ocean_fr_000017.html

▼2023年10月17日報道発表(国土交通省)「海の次世代モビリティを用いた実証実験5件を選定しました!」
https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo11_hh_000070.html

▼2022年3月23日ニュースリリース(国際航業)「神戸市の「海の課題解決に向けた実証事業実施業務(海プロジェクト)」で、水中ドローンを活用した実証実験に成功」https://www.kkc.co.jp/news/release/2022/03/23_2260/

▼関連するサービス(国際航業):水中構造物劣化診断

【株式会社FullDepth会社概要】
会社名:株式会社 FullDepth (FullDepth Co., Ltd.)
設立:2014年6月4日
代表者:代表取締役社長CEO 吉賀 智司
資本金:14億8,410万円(資本準備金、その他資本剰余金を含む)
所在地:東京都中央区東日本橋2丁目8番4号
事業概要:産業用水中ドローン等の企画・開発および製造、販売
URL:https://fulldepth.co.jp/

本件に関するお問い合わせ先

国際航業株式会社 コーポレート統括本部 広報部
E-mail:info-kkc@kk-grp.jp
TEL: 042-307-7200