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Google Earth Engine ブログ

Google Earth AI – AIが衛星データの解析を変える新時代へ

2025/11/13

製品情報

この度Googleが発表した「Earth AI」により、これまで複雑な分析と時間を要してきた衛星データの解析がわずか数分で実施できるようになります。
本ブログでは、このEarth AIとは何か、Earth AIで何ができるのか、その核心に迫ります。

Earth AIのウェブサイト こちら

1. Earth AIとは何か?🌏

Google Earth AIは、一言でいうと「地球のあらゆる情報を、人々の具体的な行動につながる情報に変える」ための、コンピューターシステムです。
Earth AIは、これまでGoogle Earth等が何十年もかけて集めてきた地球全体の情報(衛星画像、天気の情報、人口の情報等)や、 最新の予測モデル(未来の出来事を予想するコンピュータープログラム)、Geminiの高度な推論力(複雑な状況から最適な答えを導き出す力)により構築されております。

👉『Earth AIに尋ねるだけで、衛星データの解析ができる』

例えば、以下のような複雑な内容でも質問を投げかけるだけで、地図上の操作をせずにデータに基づいた具体的な答えを導き出すことができます。
「東京にある●●小学校から 50 メートル以内にある雨水排水溝を全て探して。」
「ベトナムのメコンデルタのマングローブ林に最も似ている場所はどこ?」プレビューサイト
「台風の進路を教えて?」 プレビューサイト
「森林破壊を防ぐために、どこに監視カメラを置くのが一番効果的?」

既に様々な企業・団体と試験運用を開始しております。

Earth AIを用いて洪水予測と人口密度の情報を組み合わせ、災害対応において最も支援を必要とする人々を特定する。

Earth AIを基に、ハリケーン予測をし、保険金支払いを迅速化に繋げることで、契約者がより早く再建を開始できるように支援する。

衛星画像プロバイダーとしてEarth AIモデルを使用し、森林破壊のマッピングの支援や(Planet)、送電線への植生の侵入検知を行い停電を防止する(Airbus)。

2. Earth AIの構成要素

Earth AIは、以下の3つの地理空間モデルを要素としており、これにより地球に関する包括的かつ詳細な情報を提供することが可能となります。
①Imagery(画像)
リモートセンシングデータと最先端AIを統合し、土地利用から物体検出まで多様な地理空間分析と予測を可能にします。
②Environment(環境)
リアルタイム予測から災害対応、政策への影響まで、高解像度の気象および気候の洞察を提供するためにAIを活用します。洪水予測や熱帯低気圧予測なども含まれます。
③ Population(人口)
検索トレンド、人口統計、ビジネス、モビリティ、地理空間データをAIで統合し、人々と場所の複雑な相互作用を理解することができます。疾患モデリングや脆弱なコミュニティのマッピングなどを強化します。

👀 Earth AIにおけるGeospatial Reasoning (地理空間推論)

「地理空間推論(Geospatial Reasoning)」は、複雑な問題を解決するために、一つの観点だけでなく全体像を把握することを可能にする、Geminiを搭載したフレームワークです。
このフレームワークによって、衛星画像、気象予報、人口マップといった異なるEarth AIモデルを自動的に連携させ、解析することを可能にします。
例えば、単に台風がどこに到達するかを見るだけでなく、この推論機能により、どのコミュニティが最も脆弱で、どのインフラが危険にさらされているかを同時に特定することが可能になります。

3. Earth AIでできること🔎

Earth AIモデルをGoogle Earth、Google Maps Platform、Google Cloud で活用することで、以下のことができるようになります。

•日常の言葉(自然言語)による衛星データの解析:
Vertex AIのImageryモデルにより、自然言語により衛星データの解析を進め、リモートセンシングの解析フローを大幅に加速できます。
(例)「有害な藻類がどこで増殖しているかを特定して」と質問することで、衛星画像上で確認できる増殖箇所を特定する。

• 災害時の迅速な情報提供:
発災時、Google SearchやGoogle Mapsで極端な気象現象の早期警告を提供できます。
2025年のカリフォルニア山火事の際には、地方自治体の情報を含む危機アラートをロサンゼルス全域の1500万人に提供し、Google Mapsで避難所を示すことができました。

• 干ばつリスクの予測:
Google Earth上で、川の水が少なくなり干ばつリスクのある場所を瞬時に特定でき、人々に事前に通知することが可能です。

• Google Earthで使えるGemini機能💬
Gemini機能がGoogle Earthに導入されたことで、Google Earthがこれまで「地球を回して見る」ツールだったのに対し、「AI と会話して地球を”深掘り”できる」ツールへと進化しています。
この機能は、まずはアメリカ国内のGoogle Earth ProfessionalおよびProfessional Advancedユーザーに限定して提供され、今後拡大される予定です。
以下のように、Google Earth上で、日常の言葉(自然言語)で質問をするだけで、世界中の物体を衛星画像から把握することができます。
「このポリゴン内のすべてのレストラン、公園、バス停を表示して。」
「今後 3 か月で洪水のリスクが高い地域はどこ?」
「この衛星画像から、干上がった河川の区間を探して。」
「選択したポリゴン内にあるすべての EV 充電器の数を数えて。ポリゴンごとの箇所数を含む表も作成して。」

お問い合わせ

このように、Earth AIは、企業、非営利団体、都市に対し、環境モニタリングから災害対応に至るまで、幅広い分野でデータ解析・情報提供に寄与しています。

今後も、国際航業は、Googleのプレミアパートナーとして、この革新的なEarth AI並びに、Google Earth Eninge、Google Maps Platform に関連した最新情報を発信する予定です。
Earth AIの活用に関心がございましたら、ぜひお問い合わせください。
お問合せ先:google_enterprise_sales@kk-grp.jp

Google Earth Engine
地球の様子を衛星画像によって可視化、分析できるクラウドベースの地理空間分析プラットフォームGoogle Earth Engine は商用利用が可能に。
国際航業が導入を支援します。