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気候変動政策ブログ・環境通信

環境通信 Vol.163 いよいよ施行!中国『土壌汚染防治法』

2019/01/01

コラム

いよいよ施行!中国『土壌汚染防治法』

法人第三営業グループ 坂本 大

今月は、1月1日に施行された中国の土壌汚染防治法についてです。

世界第2位の経済国にまで発展した中国は、これまで経済成長を最優先することで環境対策に本腰を入れていなかったとされていましたが、近年は違います。
北京オリンピックにおける大気改善から始まった、環境面における問題認識とその改善意識が大きく変容しており、水十条や大気十条、さらに土十条などの行動計画は、全人代が環境改善に本気で取り組もうとしていることの証でもありました。

その結果、排水における課金額が以前より大幅に上がったり、監督行政による立入り検査が厳格化したりすることで、中国に進出した日系企業の中には、大気汚染や水質汚濁を法令違反したとされ、重い罰金を科せられた企業があります。

こうした中、土壌に関わる環境対策として土壌汚染防治法が制定され、2019年1月1日に施行されました。
この法律は10年ほど前から制定されるとの話が出ては消えていましたが、ついに施行されることとなり、
土地の使用に関してどんなリスクが発生するのか?
そのリスクに対してどのような対応をすればよいか?
など、日系企業は真剣に検討することが求められるようになります。

法で明確化した適用範囲は以下のとおりです。
1)土壌汚染の責任者
土壌汚染を発生させた土地使用権者(法4条)。
土壌汚染責任者が不明の場合には、土地使用権者(法45条)や政府によって認定 された者(法48条)。

2)調査修復実施の契機
① 重点監視管理企業に指定され、重点監視企業の義務として、毎年の観測計画の確定と観測の実施(法21条)
② 土壌汚染重点監視管理企業が生産経営用地の用途を変更し、またはその土地使用権を回収・譲渡する前(法67条)
③ 土壌汚染状況の一般調査などによって土壌汚染リスクがあると判断された建設用地に対して、用途が公共サービス用地に変更される場合(法59条)

3)法律責任
例えば、重点監視管理企業が自主観測案を制定しなかった場合で、その改善を拒否した場合には罰則として「生産停止命令」が命ぜられる。
また、土壌汚染責任者や土地使用権者が規定に基づいて土壌汚染状況調査を実施しなかった場合には「2万元以上20万元以下の罰金」が課せられる。

弊社では北京の土壌環境コンサルタント会社やエンバイオ・エンジニアリング社と、中国での日系企業向けのサービス提供について業務提携しており、それぞれが持つネットワークを駆使して、中国全土における対応を引き受けるべく、体制を構築しています。

何かご不明な点がありましたら、国内はもとより中国大陸においても、できる範囲でお伺いしますので、ご連絡下さい。 担当は、法人第三営業グループ 坂本 大でした。