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エネがえる総合ブログ

[独自レポートVol.31]【自治体の再エネ推進における業務課題とは?】 60.4%が「専門知識・経験不足」と回答、91.4%が外部委託は「有益」と認識

2025/07/02

リサーチ

自治体における太陽光・蓄電池システム関連業務のBPO活用ニーズ調査

太陽光・蓄電池の経済効果診断「エネがえる(https://www.enegaeru.com/)」を提供する国際航業は、太陽光・蓄電池システムに関連する業務を担当する自治体職員104名を対象に、自治体における太陽光・蓄電池システム関連業務のBPO活用ニーズ調査を実施しましたので、お知らせします。

※調査結果については、後述する条件を順守することでご利用いただくことができます。

調査サマリー

  • 太陽光・蓄電池システム関連業務に関して、担当者の92.3%が課題を実感
  • その具体的課題、第1位「専門知識・経験の不足」、第2位「年度予算・財源が限られている」
  • 外部委託について、91.4%が「有益」と回答、現状では「発電量・自家消費・売電の予測シミュレーション」が 40.4%で委託最多

調査概要

調査名称:自治体における太陽光・蓄電池システム関連業務のBPO活用ニーズ調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2025年6月9日~同年6月16日
有効回答:太陽光・蓄電池システムに関連する業務を担当する自治体職員104名

※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。

≪調査結果の利用条件≫
1 情報の出典として「エネがえる運営事務局調べ」を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典として、下記リンクを設置してください。
URL:https://www.enegaeru.com/

現在担当している太陽光関連の業務、「自治体施設への太陽光発電・蓄電池導入推進」(56.7%)や「住宅用太陽光・蓄電池の普及啓発」(47.1%)など

「Q1.あなたが現在担当している太陽光・蓄電池システムおよび関連するゼロカーボン・脱炭素施策の業務をすべて選んでください。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「自治体施設への太陽光発電・蓄電池導入推進」が56.7%、「住宅用太陽光・蓄電池の普及啓発」が47.1%、「民間施設への太陽光発電・蓄電池導入促進」が35.6%という回答になりました。

Q1の回答結果

  • 自治体施設への太陽光発電・蓄電池導入推進:56.7%
  • 住宅用太陽光・蓄電池の普及啓発:47.1%
  • 民間施設への太陽光発電・蓄電池導入促進:35.6%
  • 公共調達・入札関連業務(再エネ設備の調達含む):31.7%
  • 太陽光・蓄電池に関する補助金制度の設計・運営:30.8%
  • ゼロカーボン/脱炭素ロードマップ・再エネビジョン策定:26.9%
  • 地域エネルギー/GX 事業の検討・運営(例:地域新電力、VPP など):14.4%
  • その他:1.9%
  • わからない/答えられない:0.0%

92.3%が、太陽光・蓄電池システム関連業務に「課題」を実感

「Q2.太陽光・蓄電池システム関連業務において、課題を感じることはありますか。」(n=104)と質問したところ、「非常に感じる」が54.8%、「やや感じる」が37.5%という回答になりました。

Q2の回答結果

  • 非常に感じる:54.8%
  • やや感じる:37.5%
  • あまり感じない:6.7%
  • 全く感じない:0.0%
  • わからない/答えられない:1.0%

具体的な課題、「専門的な知識・経験が不足している」や「年度予算・財源が限られている」など

Q2で「非常に感じる」「やや感じる」と回答した方に、「Q3.太陽光・蓄電池システム関連業務において、どのような課題を感じていますか。(複数回答)」(n=96)と質問したところ、「専門的な知識・経験が不足している」が60.4%、「年度予算・財源が限られている」が55.2%、「担当人員・作業リソースが不足している」が39.6%という回答になりました。

Q3の回答結果

  • 専門的な知識・経験が不足している:60.4%
  • 年度予算・財源が限られている:55.2%
  • 担当人員・作業リソースが不足している:39.6%
  • 効果(発電量・費用対効果・CO²削減量など)の定量化が難しい:38.5%
  • 市民・事業者へのわかりやすい説明が難しい:30.2%
  • 法制度・補助金要件などの理解・適用が難しい:24.0%
  • 設備仕様・設計判断が複雑化している(例:複数機種・条件比較):21.9%
  • ゼロカーボン施策(GX推進計画等)との整合性・連携に課題がある:19.8%
  • 民間事業者(施工・設計・メーカー等)との調整・交渉が煩雑:18.8%
  • 庁内の合意形成や部門間調整が難しい:14.6%
  • その他:0.0%
  • わからない/答えられない:0.0%

設計・シミュレーション業務で最も工数のかかるのは、「発電量・自家消費量・売電量などの予測」「導入コストや補助金を考慮した予算積算」

「Q4.あなたが担当する太陽光・蓄電池システム関連業務の中で、「設計・シミュレーション」フェーズにおいて、最も工数(時間や労力)がかかると感じる業務を1つ教えてください。」(n=104)と質問したところ、「発電量・自家消費量・売電量などの予測」が21.1%、「導入コストや補助金を考慮した予算積算」が21.1%、「システム容量や設備仕様の設計検討」が15.4%、「CO²削減量の算出・ゼロカーボン目標への寄与評価」が15.4%、という回答になりました。

Q4の回答結果

  • 発電量・自家消費量・売電量などの予測:21.1%
  • 導入コストや補助金を考慮した予算積算:21.1%
  • システム容量や設備仕様の設計検討:15.4%
  • CO²削減量の算出・ゼロカーボン目標への寄与評価:15.4%
  • 経済効果の算出(電気代削減・投資回収年・ROI):13.4%
  • 複数条件(例:容量・プラン・補助金有無など)によるシナリオ比較:8.7%
  • レポートや庁内向け資料の作成(Excel、PDF、プレゼン形式):1.0%
  • その他:0.0%
  • 特にない:1.0%
  • 設計・シミュレーション業務には携わっていない:1.9%
  • わからない/答えられない:1.0%

設計・シミュレーション業務の中で、最も工数のかかる業務の平均時間、「1日以上~3日未満」が33.0%で最多

Q4で「特にない」「設計・シミュレーション業務には携わっていない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q5.Q4で選択した業務は、1案件あたり平均してどのくらいの時間がかかりますか。」(n=100)と質問したところ、「3時間以上~1日未満」が33.0%、「1日以上~3日未満」が19.0%、「1週間以上」が19.0%という回答になりました。

Q5の回答結果

  • 3時間未満:12.0%
  • 3時間以上~1日未満:33.0%
  • 1日以上~3日未満:19.0%
  • 3日以上~1週間未満:14.0%
  • 1週間以上:19.0%
  • わからない/答えられない:3.0%

太陽光・蓄電池システム関連で、外部委託している業務、第1位は「発電量・自家消費・売電の予測シミュレーション」(40.4%)

Q1で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q6.あなたのお勤め先の自治体での太陽光・蓄電池システム関連業務において、現在、外部に委託している業務や利用しているサービスがあれば、具体的に教えてください。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「発電量・自家消費・売電の予測シミュレーション」が40.4%、「電気代削減・投資回収年・ROIなどの経済性評価」が34.6%、「補助金の適用条件確認・書類作成サポート」が33.7%という回答になりました。

Q6の回答結果

  • 発電量・自家消費・売電の予測シミュレーション:40.4%
  • 電気代削減・投資回収年・ROIなどの経済性評価:34.6%
  • 補助金の適用条件確認・書類作成サポート:33.7%
  • 設置可能な施設や屋根の適地調査:30.8%
  • 設備容量や仕様の設計支援(例:パネル枚数、蓄電池容量):23.1%
  • 工事進捗や品質を管理する施工監理業務:15.4%
  • 設備導入後の点検・モニタリング・メンテナンス:15.4%
  • 職員や市民向けの研修・説明会の実施:15.4%
  • レポートや説明資料の作成代行(PDF/Excel等):11.5%
  • クラウド型システム(再エネシミュレーター等):9.6%
  • その他:0.0%
  • 外部サービスは利用していない:9.6%
  • わからない/答えられない:1.0%

外部委託業務・サービス全体の1年間あたりの合計支出額、「100万円以上~300万円未満」「300万円以上~500万円未満」が最多

Q6で「外部サービスは利用していない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q7.Q6で回答した外部委託業務・サービス全体について、1年間あたりの合計支出額(委託費・SaaS利用料など含む)の概算を教えてください。」(n=93)と質問したところ、「100万円以上~300万円未満」が22.6%、「300万円以上~500万円未満」が22.6%、という回答になりました。

Q7の回答結果

  • 50万円未満:7.5%
  • 50万円以上~100万円未満:7.5%
  • 100万円以上~300万円未満:22.6%
  • 300万円以上~500万円未満:22.6%
  • 500万円以上~1000万円未満:12.9%
  • 1,000万円以上~3,000万円未満:12.9%
  • 3,000万円以上:5.4%
  • わからない/答えられない:8.6%

91.4%が、時間や労力がかかる業務の外部委託は「有益」と回答

「Q8.太陽光・蓄電池システム関連業務において、発電量シミュレーションや導入効果レポートの作成など、時間や労力がかかる業務を外部に委託することは、有益だと思いますか。」(n=104)と質問したところ、「非常にそう思う」が31.7%、「ややそう思う」が59.7%という回答になりました。

Q8の回答結果

  • 非常にそう思う:31.7%
  • ややそう思う:59.7%
  • あまりそう思わない:3.8%
  • 全くそう思わない:2.9%
  • わからない/答えられない:1.9%

外部委託ニーズ、30万円~50万円未満で「導入後の実績確認・CO²削減量などの効果検証レポート作成」を依頼したい声が最多

Q8で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q9.以下の業務に関して、外部委託できるとしたら1案件あたりで支払ってもよいと感じる価格帯をお答えください。」と質問したところ、導入後の実績確認・CO²削減量などの効果検証レポート作成は「30万円~50万円未満」で32.6%、職員向け研修の実施(再エネ制度・設計・評価など)は「10万円~30万円未満」で31.6%などという回答になりました。

Q9の回答結果

外部委託を検討する際の障壁、「予算の確保が困難」(52.9%)や「外部委託の効果への疑問」(39.4%)など

「Q10.太陽光・蓄電池システム関連業務の外部委託を検討する際に障壁となることはなにか、具体的に教えてください。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「予算の確保が困難」が52.9%、「外部委託の効果への疑問」が39.4%、「適切なサービス事業者の不足」が35.6%という回答になりました。

Q10の回答結果

  • 予算の確保が困難:52.9%
  • 外部委託の効果への疑問:39.4%
  • 適切なサービス事業者の不足:35.6%
  • 庁内の合意形成の難しさ:30.8%
  • 調達・契約手続きの煩雑さ:29.8%
  • 委託内容・範囲の明確化が難しい:25.0%
  • 自治体職員のノウハウ蓄積ができない:22.1%
  • 個人情報・機密情報の取扱いへの懸念:14.4%
  • その他:0.0%
  • 特にない:1.9%
  • わからない/答えられない:1.9%

その他、外部委託を検討する際の障壁、「技術の進捗が著しい分野なので、何が最適なのかが時点によって大きく異なること」など

Q10で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q11.Q10で回答した以外に、太陽光・蓄電池システム関連業務の外部委託を検討する際に障壁となることがあれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=100)と質問したところ、「技術の進捗が著しい分野なので、何が最適なのかが時点によって大きく異なること」など59の回答を得ることができました。

Q11の回答結果

外部委託を検討する際に重視したい点、同率1位「サービス料金の安さ」「担当職員の作業負担の軽減につながること」(各47.4%)

Q8で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q12.太陽光・蓄電池システム関連業務の外部委託を検討する際に重視したい点を、具体的に教えてください。(複数回答)」(n=95)と質問したところ、「サービス料金の安さ(予算内で実施できること)」が47.4%、「担当職員の作業負担の軽減につながること」が47.4%という回答になりました。

Q12の回答結果

  • サービス料金の安さ(予算内で実施できること):47.4%
  • 担当職員の作業負担の軽減につながること:47.4%
  • 再エネ・蓄電池分野における専門知識・ノウハウの高さ:38.9%
  • 過去の実績や導入事例の豊富さ:38.9%
  • 自治体業務への理解度(公務の流れや予算制度を把握している):32.6%
  • 自治体ごとのニーズに合わせた柔軟な提案・対応ができること:25.3%
  • 問い合わせや修正依頼への対応が迅速であること:21.1%
  • セキュリティ・機密保持体制が整っていること:17.9%
  • 提供企業の信頼性・組織として安定性があること:17.9%
  • 契約・調達に関する文書・手続きへの対応力があること:15.8%
  • 担当者の説明のわかりやすく円滑なコミュニケーションがとれること:15.8%
  • その他:0.0%
  • 特にない:1.1%
  • わからない/答えられない:0.0%

その他、外部委託サービスに期待する点、「継続性と持続性」「堅実に対処できるかどうか」など

Q12で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q13.Q12で回答した以外に、太陽光・蓄電池システム関連業務の外部委託を検討する際に重視したい点があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=94)と質問したところ、「継続性と持続性」「堅実に対処できるかどうか」など53の回答を得ることができました。

Q13の回答結果

まとめ

今回は、太陽光・蓄電池システムに関連する業務を担当する自治体職員104名を対象に、自治体における太陽光・蓄電池システム関連業務のBPO活用ニーズ調査を実施しました。

まず、太陽光・蓄電池システム関連業務を担当する自治体職員の92.3%が、業務において課題を感じており、その中でも「専門的な知識・経験が不足している」(60.4%)や、「年度予算・財源が限られている」(55.2%)といった課題が上位を占めています。担当業務としては「自治体施設への太陽光発電・蓄電池導入推進」が56.7%で最も多く、「住宅用太陽光・蓄電池の普及啓発」が47.1%、「民間施設への太陽光発電・蓄電池導入促進」が35.6%と続いています。また、設計・シミュレーションフェーズで、「発電量・自家消費量・売電量などの予測」と「導入コストや補助金を考慮した予算積算」が最も工数がかかる業務として挙げられており(共に21.2%)、現在外部委託している業務は、40.4%が「発電量・自家消費・売電の予測シミュレーション」と回答しました。最後に、外部委託の有益性については、91.4%が肯定的に捉えている一方で、委託の障壁として「予算の確保が困難」(52.9%)や「外部委託の効果への疑問」(39.4%)などが多く挙げられています。

今回の調査では、自治体における再生可能エネルギー推進の現場で、専門知識と経験不足が大きな課題となっていることが明らかになりました。カーボンニュートラル実現に向けて自治体の役割がますます重要となる中、限られた予算と人員で複雑化する太陽光・蓄電池システム業務を効率的に遂行することが求められています。特に発電量予測やシミュレーション業務といった専門性の高い分野において、多くの自治体が外部の専門的なサポートを必要としている実態が浮き彫りになりました。このような状況を踏まえると、自治体の再生可能エネルギー導入推進を支援する専門的なBPOサービスの提供により、業務負担軽減と専門知識不足の解消を図ることが、持続可能な脱炭素社会実現への重要な一歩となるでしょう。

再エネ導入・提案業務を支援する 「エネがえるBPO/BPaaS」とは?

エネがえるBPO/BPaaS

「エネがえるBPO/BPaaS」は、再生可能エネルギー導入業務を丸ごと外部委託できるサービスです。単発従量課金(1件10,000円〜)・Web発注・最短即日納品という業界最高水準の柔軟性と即応性を兼ね備え、再エネ事業者・自治体・金融機関などの多様なニーズに対応します。

<特徴>
1.設計支援・レイアウト作図代行
シミュレーション前に必須となる太陽光発電システムの基本設計、図面レイアウト作成を代行

2.経済効果シミュレーション・診断レポート作成
経済効果シミュレーター「エネがえる」を基盤に、試算を迅速・高品質で代行(単発、大量一括に対応)

3.補助金・系統連系申請代行
再エネ補助金・経産省申請業務を専門チームが代行

4.教育研修(オンライン/オフライン対応)
太陽光(蓄電池)の「基礎研修・応用研修」、「エネがえる操作」に特化した操作研修を提供
※その他、系統用蓄電池事業性評価の試算、全国各地でのEPC、O&Mコーディネート等拡張予定

詳しくはこちら: https://faq.enegaeru.com/ja/articles/10693356

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