English

MIRAIT ONE GROUP

気候変動政策ブログ・環境通信

環境通信 Vol.137 【水リスク】~世界的な関心度は気候変動以上?~

2016/11/01

コラム

【水リスク】~世界的な関心度は気候変動以上?~

営業本部 法人営業部 環境サービスグループ 黒田康平

今月は「水リスク」についてです。

「水リスク」

2015年の世界経済フォーラム(ダボス会議)において、「今後10年間に影響が大きなリスク」の1位に挙げられ、気候変動と並び世界的に関心が高い問題です。
CDPウォーター・ディスクロージャーの調査やウォーター・スチュワードシップという概念などは、皆様もお聞きになったことがあるのではないでしょうか。

「水リスク」と聞くと、まず渇水を思い浮かべ、日本ではあまり関係がないことと思ってしまいがちですが、「水リスク」には洪水や水質汚染の他、水の安定供給や排水への課金、水利権等も含みますので、決して皆様も無関係の話ではありません。
また、海外では渇水の影響が大きい国が多々あり、海外拠点においては、日本以上にこの「水リスクの評価」や対応手段の構築が求められる場合があります。

欧米企業では、この「水リスク」への対応が進んでいます。グローバルに展開する企業にとっては、気候変動の影響と思われる干ばつや洪水、さらに人口増加、経済成長、都市化などによる、飲料水や農業用水の不足が企業の持続的な活動に対し、既に大きな影響を与え始めていると考えられているためです。
コカ・コーラ社では、10年以上前にインド子会社の操業の影響で、水不足や水質の悪化を招いたとして地域住民等からの批判を受け、現地工場の閉鎖に追い込まれる事態が起きました。
一方で、2007年から世界自然保護基金(WWF)と協働し、世界50カ国で河川流域の保護活動を実施しており、世界の中でも早くから水リスクに対応する企業となっています。

国内でも、飲料メーカーなどで「水リスクの評価」をおこなう企業が出てきています。
グローバルに展開している「製造拠点の流域での水リスク評価」をおこない、その結果に応じて、渇水のリスクが高い場合には水使用量削減の取組をおこなうなどしているようです。

当社も、水に関わるコンサルティングを事業としている会社として、海外を含めた拠点の水リスク評価のサポートなど、「水リスク」に対する対応もおこなっております。

ご検討の際は、お気軽にご相談を頂ければと思います。

担当は、営業本部法人営業部環境サービスグループ 黒田康平でした。