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気候変動政策ブログ・環境通信

環境通信 Vol.195 COP26を終えて気候変動対策はどうなる?

2021/11/01

コラム

COP26を終えて気候変動対策はどうなる?

気候変動戦略研究室 坂本 大

本日はCOP26にフォーカスしたいと思います。イギリス・グラスゴーで10月31日から開催されたCOP26、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議が、11月13日に閉幕しました。
この会議の終盤で、インドの要求を受け入れる形で石炭使用の「段階的な廃止」が「段階的な削減」の表現に弱められ、議長が声を詰まらせるといった場面が印象的でした。
あの場面をみながら、この表現が気候変動対策に向かう日本国のエネルギー政策の後退に繋がらなければよいのだがという思いが胸をよぎりました。

一方で大きく前進した分野もありました。一つは2度未満の長期目標から1.5度をメインにシフトすることが明確にされたこと、そしてCO2の排出枠を「クレジット」として市場で取引する仕組みがようやくできたことです。

前者については、各国に十分な排出量削減を引き出せませんでしたが、来年以降の削減規模を拡大し、目標達成まで穴埋めしていくことが合意されましたので、今後は政府が排出削減に向けた取り組みを官民に対してより求めていくことは明らかです。

後者については、日本の2国間クレジット制度(JCM)が、削減プロジェクトを行った国とクレジットを買った国とで削減実績を「二重計上(ダブルカウント)」することを防ぐ仕組みが採用されるなど、クレジット市場の拡大を支援する枠組みがようやくできました。

COP26を終えて、さらに世界がカーボンニュートラルに向かう中で、企業の取り組みも加速していくことが求められます。企業は従来以上に省エネ、再エネ、エネマネに対する努力をするとともに、クレジットの活用も本格化することが想定されています。

これからの企業は、カーボンニュートラルへの具体的な取り組みを進める上でも、CO2をはじめとする温室効果ガスを算定して、自社の排出量を把握し、脱炭素ロードマップを策定することが喫緊の重要なテーマとなります。

弊社は、持続可能なまちづくりを目指す事業において、省エネ、再エネ、エネマネをはじめ、施設のZEB改修事業の支援、PPA(Power Purchase Agreement:電力販売契約)などの導入支援などにも対応しております。
また、クレジット創生に向けたコンサルティングに関しても注力しております。

カーボンニュートラルへの取り組みに向け、温室効果ガス排出量の算定や脱炭素ロードマップの策定に関してお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
皆様の取り組みを積極的にお手伝いさせて頂きます。

注)PPAとは、施設所有者の敷地や屋根などに、太陽光発電設備の所有、管理を行う会社(PPA事業者)が設置した太陽光発電システムで発電された電力を、その施設の電力使用者へ有償提供する仕組みであり、施設所有者は無償で設置できるなどのメリットがある

今回の担当は気候変動戦略研究室 坂本でした。