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気候変動政策ブログ・環境通信

環境通信 Vol.181 これからの生物多様性活動を考える

2020/09/01

コラム

これからの生物多様性活動を考える

防災環境事業部フロント営業部 黒田 康平

今月は「これからの生物多様性活動」についてです。

さて、「これからの」と書かせて頂きました。「これから」とは、端的に言えば「コロナ後」です。ここでもコロナです。
新型コロナウイルス感染症(COVID19)は、元々はコウモリがもっていたウイルスが何らかの理由で人に感染するようになったものと考えられています。
このような「動物由来感染症」は、ここ数十年の間に次々と報告されています。
皆様もよく耳にするマラリアやエボラ出血熱、HIV感染症やO-157、SARS、MERSも動物由来感染症です。

ではなぜ動物由来感染症が増えているのか。理由は1つではありません。世界的な人口増加や貧困なども原因と考えられますが、野生動物と人・飼育動物が接触する機会が増えたことも大きく関係していると考えられています。
野生動物との接触機会が増えている理由、それは開発や地球温暖化です。

開 発:森林伐採や資源採掘により人・牧畜が野生動物の領域に入り込み、また野生動物は生息地を追われ人里に出てくることとなります。

温暖化:ウイルスや細菌の生存域、媒介動物の移動・拡散の増加の可能性があります。

また、感染症は人だけに起きるものではありません。エボラ出血熱はゴリラやチンパンジーに感染し個体数の激減を引き起こしていますし、新型コロナウイルスも人から動物に感染したという報告が上がっています。

これからの生物多様性活動においては、多様性の保全や種の保存、という視点に加え、人や動物の健康、そのための環境保全という視点も必要になるのではないでしょうか。

担当は、防災環境事業部フロント営業部の黒田康平でした。