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気候変動政策ブログ・環境通信

環境通信 Vol.180 宅建業法の改正に伴う水害リスクの把握

2020/08/01

コラム

宅建業法の改正に伴う水害リスクの把握

防災環境事業部フロント営業部 小竹 修一

新型コロナウイルスの影響により、例年とは違う「特別な夏」を迎えておりますが、各位におかれましても健康への配慮・働き方等も含め、いろいろと取り組み事項の多い時候をお過ごしかと存じます。
暦上では「残暑」の時期となりましたが、各地で猛暑日が続き、9月に入りましても厳しい暑さが続く予想となっております。
暑さが厳しくなりますと大気の状態が不安定になりやすく、「超局所的な豪雨」の発生により、短時間にごく限定的な範囲で水害が発生するといった現象が多くなります。先日のお盆期間中にも、東京や埼玉などで雷を伴う短時間豪雨が発生し、道路の冠水や停電等による交通網への影響が出たことは記憶に新しいところです。

このような中、昨年の台風災害なども鑑みて、国土交通省より宅地建物取引業法の施行規則の一部改正が発表されました。これは、宅地又は建物の購入者等に不測の損害が生じる事を防止するため、宅地建物取引業者に対して、重要事項説明として、水防法の規定に基づき作成された水害ハザードマップにおける対象物件の所在地を説明することが義務付けられたものです。令和2年8月28日(金)に施行されました。

国土交通省の報道発表資料 こちら

具体的な説明内容として、

① 水防法に基づき作成された水害(洪水・雨水出水・高潮)ハザードマップを提示し、対象物件の概ねの位置を示すこと
② 市区町村が配布する印刷物又は市区町村のホームページ掲載のもので、入手可能な最新版を使うこと
③ ハザードマップ上に記載された避難所についても、併せて説明実施する事が望ましいこと
④ 対象物件が浸水想定区域に該当しない事をもって、水害リスクが無いと相手方が誤認することのないよう配慮すること
が規定されることとなり、これにより重要事項説明の一つに「浸水リスク」が加わる事となりました。宅建業者様にとりましては、契約成立への影響のほか、具体的な浸水対応に多くの時間や資金が必要となるケースも考えられます。

当社では、ハザードマップ等の公開資料に加えて、専門技術者の解析等により、実際に想定される浸水深を導き出し、具体的な浸水対応に必要なデータを供する業務を「浸水対策支援業務」として提供させて頂いております。
これは、住民対応などを考え、安全を最大限考慮した数値を提示している「ハザードマップの浸水深」を検証し、ハザードマップでは示しきれていない詳細なデータを活用することで、浸水対応のコスト低減や詳細なリスクの把握を実現させるものです。既に本業務は開発業者様の他、建設業者様、設計事務所様等からもご愛顧頂いております。
最後ではございますが、新型コロナウイルス感染拡大や自然災害の発生等、事業拡大・継続にも困難な事項の予測もされます中でも、御社益々のご発展、ご清栄を祈念し、ご挨拶に代えさせていただきます。

担当は、防災環境事業部 フロント営業部の小竹修一でした。