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気候変動政策ブログ・環境通信

環境通信 Vol.152 土対法2段階改正 今度は900m²?!

2018/02/01

コラム

土対法2段階改正 今度は900m²?!

技術サービス本部 法人営業部 第三営業グループ 黒田康平

「土壌汚染対策法の一部を改正する法律」が昨年3月に閣議決定され、衆議院・参議院での可決成立を経て、5月19日に公布されました。
今回の改正は、内容のほかにも施行が二段階に分かれることにご注目下さい。
特に、第二段施行の内容については、皆様の事業にも大きく関係すると思われます。

◆第一段施行分【今年4月1日施行】
改正の第一段は今年の4月1日に施行されます。4月1日の改正に向け、昨年12月27日に4つの省令が公布され、また施行通知が公表されております。

環境省ホームページ
省令改正:http://www.env.go.jp/press/104978.html
施行通知:http://www.env.go.jp/water/dojo/law/kaisei2009/no_1712271.pdf

◇第一段施行分の主な内容(施行通知より抜粋。番号は施行通知に記載の番号)
1. 法第3条1項の土壌汚染状況調査の対象となる「工場・事業場の敷地」の明確化
敷地が公道等により隔てられていても、特定有害物質を含む液体等が流れる配管等により接続され一体の生産プロセスが行われている等の場合、隔てられた双方の土地を1つの工場・事業場の敷地として取り扱う。また、都道府県知事は、既に第3条1項ただし書の確認(調査猶予)を受けている土地についても、土地所有者等からの情報提供や要請に応じて、範囲の明確化や見直しについて、必要に応じて適切に対応されたい。

3. 土地の形質変更届出(法第4条)に併せて行う土壌汚染状況調査の結果の提出
法第4条の⼿続において汚染のおそれを的確に捉え、迅速に行政判断を行えるようにするため、あらかじめ指定調査機関に調査させて、土地の形質の変更の届出に併せてその結果を都道府県知事に提出することができることとした。
(ただし、土壌汚染状況調査の方法や結果に不備がある等の場合は、法第4条第3項に基づく調査結果の報告を命ずることが可能)

4. 土地の形質変更届出に併せた土壌汚染のおそれを推定するために有効な情報を含む資料の提出
調査対象地が汚染のおそれの基準に該当するかどうかについて、法第4条1項の届出時に届出義務者が土壌汚染のおそれを推定するために有効な情報を含む資料を提出した場合は、基準の該当性判断の際に活用できるものとする。

6. 台帳(区域指定解除台帳の調整・保管)
区域指定が解除された際には、措置の内容等と併せて区域指定が解除された旨の記録を解除台帳の調製等により残すことで、措置済みの土地であることを明らかにするとともに閲覧可能とし、土壌汚染状況の把握を行う際等に活用できるようにするため、区域指定が解除された要措置区域等の台帳を調製し、保管することとする。

◆第二段施行分【公布の日から2年を超えない日】
第二段の施行は公布(昨年5月19日)から2年を超えない日とされており、来年の4月1日と考えられていますが、明記されたものはありません。
施行内容については、中央環境審議会土壌農薬部会土壌制度小委員会にて検討されており、今月7日には第12回目の委員会が開催され、3月14日には第13回目の委員会が開催予定です。

土壌制度小委員会資料
第11回:http://www.env.go.jp/council/10dojo/y1011-11.html

◇第二段施行分の主な検討内容(内容は今後変更となる可能性があります)
調査対象となる土地の拡大
(法第3条)ただし書きによる確認(調査猶予)を受けている土地において、土地の利用方法の変更がない場合でも、一定規模以上の形質変更を行う場合は届出対象とする。
(法第4条)土地の形質変更の届出について、現行は⼀律3,000m²としているが、有害物質使用特定施設を設置している土地については、面積要件を別途設ける。
⇒ 面積については、どちらも「900m²」で検討されています
(土壌制度小委員会(第11回) 【資料2】に記載があります)。
リスクに応じた規制の合理化
(1)健康被害のおそれがない土地の形質変更は、その施行方法等の方針についてあらかじめ確認を受けた場合、工事ごとの事前届出に代えて年1回程度の事後届出とする。
(2)基準不適合が自然由来等による土壌は、都道府県知事への届出により、同⼀の地層の自然由来等による基準不適合の土壌がある他の区域への移動も可能とする。

などです。
土壌汚染対策法そのものが既に難解な法ですが、今年と来年の法改正でさらに複雑な内容となっていきそうです。

当社では、皆様の社内向け講習会なども対応させて頂いております。土壌汚染対策法の改正施行を前に、社内での情報伝達・共有等が必要でしたら、是非ともご相談を頂ければと幸いです。

担当は、法人第三営業グループ 黒田康平でした。