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2021/06/09

リリース

経済産業省「再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」に参画 ~再エネ発電量・需要量の予測手法とクラウド型システムを開発~

2021年6月9日

国際航業は、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である令和3年度「再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業(以下、本実証事業)」※1に、プロジェクトの協力者として参画します。

本実証事業は、17社で構成された共同事業体(コンソーシアムリーダー:株式会社エナリス(代表取締役社長:都築 実宏))で実施されます。当社は太陽光発電量・電力需要量の予測技術開発を担当し、日射量予測を含む気象データ、数理モデル、機械学習を組み合わせた新たな予測手法と独自のクラウド型予測システムの開発を進めます。また、今後再生可能エネルギーが主力電源化する際に必要不可欠な高精度かつ低コストのクラウド型予測サービスの提供を目指してまいります。

1.背景と目的
主力電源として再生可能エネルギーの普及・拡大を図るうえで、安定的かつ効率的な電力システムを構築することが求められています。 これにより、FIT制度※2からFIP制度※3への移行が進むため、再エネ発電事業者と小売電気事業者の双方のインバランス(出力変動)リスクを、可能な限り低減することが課題となっています。
出力変動の大きい再エネ発電を含めた電源の需給バランスを安定的に確保し、計画に基づいた電力供給を無駄なく行うためには、計画値未達分の調整や短い周期での出力変動の抑制技術が必要になります。この役割は、需給管理のノウハウを持つアグリゲーターが担うことが有効だと考えられており、「再エネアグリゲーション」と呼ばれ注目を集めています。今回の実証事業では「再エネアグリゲーション」の仕組みの実現性と運用の際の課題を検証し、今後の社会実装化に役立つことを目指します。

2.国際航業の役割
当社は、再エネ発電インバランスリスクのヘッジ手法として注目される、複数の再エネ発電所における高精度な発電量予測手法の開発を担当します。
以下の3点に取り組み、予測精度の向上および汎用性の高いクラウド型システムの開発を目指します。
(1)複数の太陽光発電所(約40~50ヶ所の発電所を想定)に対して発電量予測および需要量予測を実施
(2)発電量予測/需要量予測に必要な気象データ(実績・予測)、数理モデル、機械学習を組み合わせた独自の予測手法の実証
(3)当日48コマ※4と翌日48コマの予測送信を行い、当日の気象変化等を加味し、当日の予測を任意の頻度で更新

<実施エリア>
北海道、沖縄を除く全国の複数の発電所を対象とする(一部、全国の住宅用卒FIT太陽光発電設備を含む)
<実施予定期間>
2021年6月~2022年2月迄の期間

国際航業の太陽光発電量・電力需要量予測技術について
当社では、2015年より家庭用太陽光発電・オール電化・蓄電池の経済効果シミュレータを開発し(特許2件取得済)、「エネがえる」(サービス名称)として販売・提供しています。現在は、新電力を含めた100社3,000プランの電気料金プランから最適な料金プランの提案が可能で、国内数百社のエネルギー事業者への導入実績を有しています。このほか「エネがえる」では、蓄電システム等の遠隔制御に加えて「太陽光発電の自家利用状況等の見える化」「AIによる予測・制御機能を用いた蓄電システム等の利活用」が可能なサービスも展開しています。これら家庭用の予測シミュレーションから制御までの一連の開発実績を有効に活かし、今回のシステム開発および実証に取り組む計画です。

3.今後の展開
当社は本実証事業を通じて、再エネ発電事業者や小売電気事業者、あるいは需給調整市場への参入を検討する再エネアグリゲーターに対して、高精度な発電量予測・電力需要量予測のサブスクリプション方式のクラウド型サービスを展開して行く計画です。
同時に、すでに家庭用蓄電システムメーカー等に導入実績のある気象予測・気象警報と連携した「蓄電池充放電最適制御システム」の産業用蓄電池への対応を目指し、発電量予測・電力需要量予測とセットで家庭用、産業用、公共用へと広げ、再生可能エネルギー導入の普及拡大や脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

コンソーシアム実施体制図(17社)

 

 

 

※1 経済産業省が、再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業を行うための経費の一部を助成するもので、2021年6月8日に本実証事業の執行団体である一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)から交付決定通知が公開されました(https://sii.or.jp/saieneaggregation03/adoption_result.html
※2 FIT制度:「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のこと。再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。
※3 FIP制度:FIP制度は、FIT制度に加え、2022年4月から創設が予定されている市場連動型の制度です。FIP 制度は、発電事業者が、卸電力取引市場や相対取引で、発電した再生可能エネルギーを市場に供給した場合に、基準価格と参照価格の差額をプレミアムとして交付する制度です。
※4  卸電力取引市場(スポット市場)では、1日を30分単位48個のコマに分けて取引しています。

【参考】
株式会社エナリス ニュースリリース:https://www.eneres.co.jp/news/release/20210609.html

<本件に関するお問い合わせ先>
国際航業株式会社  企画本部 広報部
Mail:info-kkc@kk-grp.jp
TEL: 042-307-7200