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Mapbox ブログ

【新機能リリース】国土地理院データを利用した地形タイル(パブリックベータ版)の提供を開始しました!|Vector Terrain for Japan

2021/11/18

製品情報

実装について

地形タイルの特徴

この度、Mapbox Japanから、等高線データを含んだ地形タイルをパブリックベータとして提供が開始されました。

左:mapbox vector terrainを使用したoutdoorスタイル
右:mapbox-japan japan-gsi-contourベースのoutdoorスタイル

・国土地理院のデータを利用
・等高線(Contour)、標高点(ElevPt)、測量の基準点(GCP)の提供
・ズームレベル: 8 – 16(等高線), 13-6(標高点、測量の基準点)
・MTS(Mapbox Tiling Service)を利用したデータの取り込み

なお、今回のデータ提供はMapbox Japanからの参考実装として、ベータ提供となります。

実装について

国土地理院の基盤地図情報にて提供されている基本項目のデータを利用しております。2021年7月更新分が反映されたデータのうち、以下が対象です。

・標高点(等高線および標高点)
・測量の基準点

上記基本項目として提供されているデータは、総量で数百GBを超え、ファイル数も数十万件にのぼります。その中から当該のデータを抽出し、データを変換、ベクターファイルを作成し、タイルセットの作成するという流れが必要となります。

そのため、以下のような「パイプライン」と呼ばれるデータを処理をする流れを作ることで、手作業を減らし、複雑な日本の地形を表現するためのタイルを皆様に提供できるようにしております。
皆様も、tippecanoeなどのツールを使うことで、同様なパイプラインを実現することが可能です。さらに、Mapboxのタイル作成ツールであるMTSを使うことにより、タイルセット作成に必要な作業は全てクラウド上で行い、パイプラインの負荷を大幅に減らすことが可能となります。

作成されたタイルセットについては、Mapboxにて提供しているVector terrain v2のものに合わせて提供しております。
Vector terrain v2についての詳細はこちら

提供タイルについて

各タイルは、基盤地図情報ダウンロードデータファイル仕様書(ver 4.1)に基づいてデータを利用しております。詳しくはこちらをご覧ください。
各種資料|基盤地図情報ダウンロードサービス

等高線タイル:

mapbox-japan.japan-gsi-contour-v1: Linestring
ele フィールド: 高さ[m]

*プレビューはこちら

基本項目のダウンロードデータ仕様における、等高線(Contour)クラスの標高値(Altitude)で提供されている値(tag: alti)を参照しております。
Zoomレベル毎の間隔は、Mapbox Vector Terrain における実装を参考にした以下の数値となります。

index フィールド: 1,2,5,10のいずれかの値

Indexは、Vector terrainでの提供と同様に、以下のように定義しております。

標高点タイル

mapbox-japan.japan-gsi-elevpt-v1: Point
ele フィールド: 高さ[m]

*プレビューはこちら

表示箇所の高さをメートルで表します。
基本項目のダウンロードデータ仕様における、標高点(Elevation Point)クラスの標高値(Altitude)で提供されている値(tag: alti)を参照しております。

測量の基準点

mapbox-japan.japan-gsi-gcp-v1: Point
ele フィールド: 高さ[m]

*プレビューはこちら

表示箇所の高さをメートルで表します。
上記は、基本項目のダウンロードデータ仕様における、測量の基準点(Geodetic Control Point)クラスの標高値(Altitude)で提供されている値(tag: alti)を参照しております。

fid フィールド: 基盤地図情報レコードID
基盤地図情報地物(FGD Feature)クラスの基盤地図情報レコード ID(Fgd record ID)で提供されている値(tag:fid)となります。

gcpClass フィールド:
等級種別(GCPClass)で提供されている値(tag:gcpClass)となります。

type フィールド:
種別(Type)typeで提供されている値(tag: type)となります。

ベクタータイルとは

ベクタータイルとは、タイルでグリッド化してデータを保存する方法で、ジオメトリデータのみを含みます。バイナリファイルフォーマットとして提供され、従来の画像をベースとしたタイルに比べて、軽量でかつ軽量かつ圧縮率の高い地図データ提供が可能となります。

特に、geojsonと呼ばれる形式でデータソースを記述することにより、ベクタータイルへの変換がよりスムーズにすることが可能となります。
ベクタータイルについての詳細はこちらをご参照ください。
また、弊社とベクタータイルの取り組みについては、こちらもご参考ください。
第12回地理院地図パートナーネットワーク会議(オンライン開催)

MTSとは

ベクタータイルセットを作るためのツールで、Mapbox内部のデータ処理サービスを商用化したものです。高速なデータ処理と大容量のデータホストを実現しており、お客様におけるデータ処理のパイプライン化、自動化を推進しております。
すでにお持ちのデータがあるものの、クラウドを利用するべきなのか、描画処理に時間がかかる、更新頻度もそれなりに維持したい、保存コストが高止まりする、などの課題を解決するためのソリューションです。
MTSの詳細はこちら

新しくリリースされたデータを使って実際に地図を作ってみました。
こちらのリンクから、旧来の等高線と地理院データを使って精度を向上させた等高線の比較が可能です。緑ラインはこれまでの等高線データ、紫ラインが本リリースのデータを活用し、精度を向上させた等高線データです。

違いが一目瞭然ですね。より正確になったデータを活用して、山登りマップや秋の紅葉おでかけマップを作ってみてはいかがでしょうか。

この記事はマップボックス・ジャパン合同会社の許諾を得て同社のブログ記事(https://blog.mapbox.jp/n/n0a780fa40962?magazine_key=mc2bb60f42211)を転載し、国際航業が加筆・修正をしています。

Mapboxサービス
Mapboxはリアルタイムで更新されるライブロケーションマップを備えたプラットフォームを開発・提供しています。
開発者はこのプラットフォームを利用して様々なロケーションサービスの開発が可能となります。
ノンコードでの地図作成など、開発者目線で扱いやすい数々のソリューションを展開しています。
Mapboxを使えば本来力を入れるべきアプリケーションのデザインや開発に、よりフォーカスすることができます。