English

MIRAIT ONE GROUP

気候変動政策ブログ・環境通信

環境通信 Vol.144 いよいよ、水俣条約が発効へ!

2017/06/01

コラム

いよいよ、水俣条約が発効へ!

技術サービス本部 環境保全部 環境ソリューショングループ 衛藤正二

平成29年5月18日付けで、「水銀に関する水俣条約」の締結国数が50か国に達し、条約の発効要件が満たされたため、本条約は本年8月16日に発効することになりました。

水俣条約は、水銀の人為的な排出及び放出から人の健康及び環境を保護することを目的とし、水銀の採掘、輸出入、使用、環境への排出・放出、廃棄等、そのライフサイクル全般にわたる包括的な管理を求めるものです。
我が国では昭和30年代に工場から排出された水銀を原因とする水俣病問題で深刻な健康被害と自然環境の破壊の経験を教訓に水銀対策に取組んできており、我が国の水銀使用量は大きく減少してきましたが、世界規模で見ると、今でも水銀の排出は続いています。

俣病の教訓を踏まえて世界の水銀対策を主導してきた日本では、水俣条約で求められている水準以上の措置が予定されており、水俣条約の発効を受けて国内法である「水銀による環境の汚染の防止に関する法律(水銀汚染防止法)」が、一部を除き本年8月16日に施行されます。 当社の業務で携わることが多い工場内の「蛍光灯」と「水銀灯」などへの影響については、以前から一般社団法人日本照明工業会で紹介されていましたのでリンク先をご紹介します。
今後は、今年度からガイドライン改定の検討会を開催し、3ヵ年かけて段階的に改定が行われる予定となっています。

「水銀に関する水俣条約」の国内担保法による国内市販ランプへの影響について↓
https://biz-kkc.lmsg.jp/p/sdIuk

この中で、「一般照明用の高圧水銀ランプ」は、水銀含有量に関係なく、平成32年 12月31日以降、製造・輸出入が禁止となるため、メタルハライドランプ、高圧ナト リウムランプ、LED 照明などへの計画的な切替えが必要とされています。
「ただ、この規制は製造・輸出入を禁止するものであり、一般照明用の高圧水銀ランプの継続使用、規制前に製造又は輸入された一般照明用の高圧水銀ランプを修理・交換のために使用すること及びその販売を禁止するものではありません。」との記載もありますが、工場の持続可能な運営計画を立てる上で、製造・輸出入が禁止となったものをそのまま継続使用するケースがどれくらいあるでしようか︖

多くの工場では、照明器具の交換工事を計画的に進めるのではと予想しています。そうした照明器具の交換工事においては、その製造年等によって「蛍光灯安定器」や「水銀灯安定器」が、新たにPCB廃棄物として認識される場合もあろうかと思います ので、その点も含めて予めご注意下さい。

担当は、技術サービス本部 環境保全部 環境ソリューショングループ 衛藤正二でした。