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商圏分析 導入ガイド

高齢者が多い住宅街に出店することを想定した場合に必要な商圏分析とは

2023/02/21

コラム

高齢者が多い住宅街に出店することを想定した場合に必要な商圏分析とは

高齢者が増え続ける日本

急速に高齢者が増え続ける一方で、子供の数は増えないのが現在の日本が抱える深刻な問題ですが、少子高齢化の波は日本だけにとどまらず、近隣の中国や韓国、そしてドイツやフランスなどでも喫緊の課題となっています。とはいうものの、一朝一夕に改善できる問題ではなく、すでに山積している問題にさらなる問題が加わり、高齢化が進み続けているのが現状です。世界的に見てもかなりのスピードで長寿化が進む日本で、今後さらに大きな問題となっていくことは間違いないのが、伸び続ける平均寿命に対し、健康寿命との乖離が大きくなることです。

高齢者が増え続ける日本
平均寿命とは文字通り、何歳まで生きたかを平均値で表したものですが、健康寿命は自分のことは自分でできる高齢者の年齢はどのくらいかを調べたものです。残念ながら、寝たきりで世話をしてもらわないと生きていけない高齢者が増えているのに対して、自分のことは自分でできる高齢者の年齢である健康寿命は頭打ちの傾向が見られます。

出店を想定して行う商圏分析を高齢者中心に見る場合

昨今はどこの住宅街にも高齢者が多くなり、若者の姿は駅前などの利便性の良いところに集中しています。そのため、高齢者が多く住まう住宅街に出店する場合、高齢者は何を求めているかを考え、高齢者に合った商圏分析をすることが不可欠です。健康寿命を維持している高齢者の場合、自宅近くではあるものの、買い物をしたり、医療機関にお世話になったりといった具合に、毎日外出しています。その際に外出の足として使うことが多いのが、歩くよりもラクだという自転車です。最近では電動自転車のおかげで軽い力でスイスイと走れるようになったことから、多くの高齢者が電動自転車に変えています。

高齢者が多い住宅街であれば、商圏分析の中の分析方法のひとつであるハフモデル分析を重視することで、電動自転車の品揃えを増やしたサイクルショップをオープンすることで成功しやすいと考えられるでしょう。

ハフモデルとは

ハフモデルとは、消費者が特定の店舗で買い物をする確率のことで、消費者のターゲットを絞り込むことで得られる確率が変わってきます。商圏分析をするにあたってわかりやすい分析方法と言えますが、現代社会のように高齢者とそれ以外の世代との人数差が大きく開いてくるほど、ハフモデルはかなり効果を上げる分析方法になるでしょう。

高齢者が店舗で買い物をする際に求める一番の要素は、便利なところにあるということです。便利の内容は高齢者それぞれで異なりますが、最も重視するのは店舗までの交通手段です。高齢者でもまだマイカーを持っている場合、車で行けるかどうかが最も重視すべきポイントとなりますし、車を駐めやすいかどうかも大事です。さらには自宅から目指す店舗まで車で走りやすいかも大きく影響してくるでしょう。

電動自転車をはじめ、普通の自転車に乗っている高齢者も、店までの距離と自転車で行きやすいかという要素は、マイカーに乗る高齢者と変わりません。さらに、車も自転車も持たないため、歩いて行くしかないという高齢者がどの程度暮らしているかを調べることも、商圏分析をするにあたってハフモデル分析が効率よくデータを出してくれると考えられます。

都市部に暮らす高齢者が増加

都市部に暮らす高齢者が増加

かつては高齢になれば仕事を引退し、田舎に引っ込んで趣味で野菜作りなどをしながら老後をゆったり過ごしたいと考える高齢者が多かったものの、近年は不便な田舎暮らしよりも便利な都会暮らしを選ぶ高齢者が大半です。あるいは結婚してお嫁に来た場所だからとか、ここで生まれ育ったからという理由で、長年住んできた住宅街から離れようとしない人も多くなっています。こうしたエリアは住宅街の中に多く、住宅街には近年空き家が目立ちます。

そのため、比較的広い土地を必要とするスーパーマーケットでも、出店のために土地を手に入れるのが容易になっているというのが特徴です。こうした条件を考え、高齢者がどのくらい来店するかを中心に商圏分析を行うと、住宅街に住む高齢客層の来店がどのくらいの確立になるかがわかってくるというわけです。高齢者と一緒に暮らす家族がいれば、買い物に行きたいという親や祖父母に付き添って来店し、ついでに買い物をしてくれると考えられることから、子供よりも人数の多い高齢者をターゲットにすることで、店舗利用の回数やどのくらいの来店が見込めるかが予測できます。

品揃えは高齢者向けにし過ぎないことが大事

昨今、明らかに高齢なのにお年寄りと呼ばれることを嫌う人は多く、洋服やバッグなどの持ち物で、どちらかというと若い人向けの品を持つ傾向が見られます。食事に関しても、高齢者ほどしっかりとアミノ酸をとらなくてはならないということで、肉食の人が増えているのも特徴です。衣料品を一緒に販売するスーパーの出店であれば、高齢者向けの衣料品ではなく、中高年世代に適したものにすることが売り上げの確率をアップさせそうです。食材も同様に中高年世代も一緒に食べられるものを充実させることで、儲かる店かどうかの商圏分析結果から判断すると、出店できるという決断に至ることが多いでしょう。

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