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気候変動政策ブログ・環境通信

環境通信 Vol.117 Monthly Report

2015/03/01

コラム

Monthly Report

環境ソリューション事業本部 坂本 大

●桜の開花で想うこと
日本列島で桜の開花宣言が南から広まってきました。この原稿を書いている23日には東京でも開花宣言が出される見通しです。週末に都内の桜を眺めていると、すでに満開に咲いた桜もあれば、つぼみすらまだまだ小さく、当分咲きそうにない桜も見かけました。

■開花宣言に用いる桜は染井吉野(ソメイヨシノ)という種であり、大寒桜(オオカンザクラ)や枝がやわらかく枝垂れる桜の総称である枝垂桜(シダレザクラ)などはすでに都内でも満開に咲いています。一方、日本の野生の桜の代表的な種である山桜(ヤマザクラ)は、同じ場所に育つ個体でも一週間程度の開花時期のずれがあるそうで、私が見た咲きそうにない桜はこのヤマザクラでした。

■日本人にもっとも人気があるソメイヨシノは明治以降、特に1900年の大正天皇御成婚の際に、日本各地で記念として植えられました。現在、多くの場所でこの桜を楽しめるのは、この時期の植え付けのおかげともいえます。またアメリカのワシントンDCのポトマック川沿いのソメイヨシノも1912年に植樹されたそうです。

このソメイヨシノですが、寿命が60年という話があります。数百年の古木になることもあるヤマザクラやエドヒガンに比べると、非常に短命なようですが、これには異説もあり、本当のところは分かりません。ただし、当社がある市ヶ谷や四谷の土手にある桜は一昨年の台風で十本ほどが倒れましたが、その中には内部が朽ちていた樹も複数あり、樹勢が弱った様子がみられました。

■ソメイヨシノは1本の木から始まっており、実は今植えられている木はすべて接木もしくは挿し木などでコピーされたものです。種子で繁殖したものではなく、種子そのものを作ることができません。

■我々の目を楽しませてくれる桜ですが、人の手によって広がった人工樹であることを考えると、少し見方が変わりませんか?

■今年のお花見では、是非近くにある桜の木の生い立ちなども考えながら、お酒を楽しんでください。

担当は、環境ソリューション事業本部 坂本 大でした。