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支える技術

水域で測る

海洋レーダーによる流れ、波浪観測海洋短波レーダー ~電波の目で海を見つめる~

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海洋短波レーダーは陸上に機器を設置し、電波を発信・その反射エコー(ドップラーエコー)を受信・処理し、複数局の解析結果データを合成する事により、海の表層の流況(流向・流速)を広範囲(面的)に取得する事ができるリモートセンシング技術を利用した観測機器です。

観測範囲は陸上に設置された観測局から約1.5km~60km程度で、1.5kmメッシュのデータ取得が可能となります(図1)。

図1 海洋短波レーダー観測イメージ

海洋短波レーダーシステム

海洋短波レーダーは、複数の現地レーダー観測局、中央解析局とWEB局(図2)で構成されています。現地観測局(図3、図4)は標準で2基設置し、両局の観測範囲が重なる範囲(図1)において流れと波浪情報がわかります。中央局はそれらのレーダー局を遠隔制御し、かつ現地観測装置で取得した観測データを解析しています。WEB局は中央局で解析した結果を一般向けに流れや波浪情報としてインターネットを通じて公開する仕組みです。

図2 海洋短波レーダーシステム

図3 現地レーダー観測局全景

図4 レーダー観測局の局舎内

■観測仕様

1. 観測範囲
各レーダ局から陸地を除く±60度以上の方向で観測ができ、観測正面から±45度以上の範囲については1.5km~50km以上(アンテナの前面陸地長70m以内の場合)
2. 方位分解能
各レーダ局で7.5度
3. 距離分解能
掃引周波数幅100kHzを用いて1.5km
4. 流速範囲
約3m/s以下
5. 流速分解能
約5cm/s
6. 観測時間間隔
1シーンの観測について通常1時間毎
最短30分まで設定可能
7. 空中線設置面積
受信空中線は55m×7m以内(8本標準配列)
送信空中線は7m×9m以内
番号 項目 仕様
1 レーダ方式 FMICW(受信DBF方式)
2 レーダ周波数 24.515MHz±50kHz
3 掃引周波数帯幅 100kHz
4 占有周波数帯幅 110kHz
5 電波型式 Q0N
6 送信出力 200WPEP
7 パルス繰り返し周波数 1,024Hz
8 送信パルス幅 488μs
9 周波数掃引時間 0.5sec
10 周波数掃引速度 200kHz/s
11 A/Dサンプリング周波数 1,024Hz
12 1掃引中A/Dサンプリング数 512
13 距離方向FFT処理点数 512点(固定)

海洋短波レーダー精度について

過去に流速計と海洋短波レーダーとの比較検証を行いました(図5)。その結果、流速計と概ね一致することが確かめられました。また海峡部における渦についても捕らえることができました(図6)。

図5 流速計とレーダーとの比較結果

図6 海峡部の渦構造を海洋短波レーダーで観測した例

波高計との比較では有義波成分の波高、周期、波向きとの比較を行い、波高計と高い相関があることがわかります(図7)。

図7 波高計との比較結果

海洋短波レーダーの利活用について

海洋短波レーダーは今後、広域の流れ、波浪をもとに防災・環境情報として様々な利活用が検討されています。

国土交通省関東地方整備局 東京湾環境情報センター
http://www.tbeic.go.jp/