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事例紹介

海外開発コンサルティング

森林

インド

プロジェクト名: 森林・生物多様性セクター情報収集・確認調査
期     間: 2021年7月~2022年5月
実施スキーム : 情報収集・確認調査(JICA)

インドでは、森林減少と森林劣化、これに付随する動植物の生息地の消失と断片化、外来侵略種の侵入と拡大、ひいては生物多様性の低下という問題に直面している。また、慢性的な水不足、二酸化炭素排出量の増大、サイクロンなどの自然災害にも対処していく必要がある。こうした中、インド政府は現在、新森林政策(草案)を準備しており、森林や生物多様性の再生と保全だけでなく、水源涵養、土壌侵食の抑制、温室効果ガスの吸収、沿岸の暴風雨への対策向上における森林の機能向上において、生態系サービスの可能性を最大化することを打ち出しています。

このため、本調査は、中長期的な協力の戦略、並びにインドの森林・生物多様性セクターを強化する協力事業に係る将来の方向性の検討に必要な情報収集・確認を行う目的で実施されました。

コロナ禍における遠隔調査となりましたが、以下を内容とする報告書を取りまとめました。

  • 第2章 インド森林・生物多様性セクターの概要(第 2 章)
  • 第3章 社会問題及び森林・生物多様性セクターの貢献可能性
  • 第4章 森林・生物多様性に関する研究活動及び連携可能性
  • 第5章 森林・生物多様性セクターにおける民間企業の動向及び連携可能性
  • 第6章 具体的な事業形成を意図した森林・生物多様性セクターにおける協力方針

インド

  • 私有地での植林
プロジェクト名: タミル・ナド州生物多様性保全・植林事業(フェーズ2)準備調査
期     間: 2021年4月~2022年2月
実施スキーム : 有償資金協力準備調査(JICA)

インド南部に位置するタミル・ナド州は、人口7000万人が暮らし、その豊かで多様な生態系は、森林資源や水産資源の供給、野生生物生息環境の提供、観光資源など、「生態系サービス」と呼ばれる多岐に亘る恩恵を地域住民にもたらしてきました。しかし、急速な経済開発や都市化、人間の活動域と野生生物の生息域の近接化、生計維持のための森林資源への過剰負荷などにより、生物多様性が脅かされています。

同州では我が国はこれまで、円借款「タミールナド州植林事業」及び「タミル・ナド州生物多様性保全・植林事業(フェーズ1)」を実施し、森林被覆率の向上や生物多様性の保全に向けて支援を行ってきました。また、タミル・ナド州政府も、「州森林政策2018」において生物多様性保全を最重要課題の一つに掲げ、積極的に取り組むこととしています。

標記「タミル・ナド州生物多様性保全・植林 事業(フェーズ2)」は、フェーズ1では対象としなかった地域において、動植物生息域の改善、林業振興、組織体制強化などを通じて、同州政策に沿って生物多様性保全を図るものです。州政府は、プロジェクトの実施によって「生態系サービス」を向上させ、人間と野生動物の軋轢や気候変動により影響が激化する災害 対策等の社会経済課題を解決していきたいとしています。

本事業では、フェーズ2実施に先立ち、事業の妥当性、事業内容、事業費、スケジュール、実施体制などを検討し、我が国の有償資金協力事業として実施するための審査に必要な情報の収集と分析及び提案を行うことを目的としています。

ソロモン

プロジェクト名: 森林・林業セクター分析に係る情報収集・確認調査
期     間: 2020年11月~2021年6月
実施スキーム : 情報収集・確認調査(JICA)

ソロモン諸島の森林率は9割弱と世界でも高い一方、近年の大規模な木材・丸太輸出により、森林面積は年々減少しており、自然環境破壊が進んでいると言われています。同国には、森林を含む土地の所有権は部族等の地域住民集団にあるとする慣習地制度が存在するため、森林資源管理の実施には地域住民の理解促進が重要です。一方で、同国は、輸出の半数以上を林産物に依存する単一経済構造になっています。これらのことから、同国森林研究省は、地域住民主体の森林資源の持続的利用を推進しつつ、豊かな森林資源を適切に管理していく能力を強化していくことが求められています。

JICAでは、技術協力「ソロモン国における持続的森林資源管理能力強化プロジェクト」を通じた支援が2022年に終了することを見据え、さらに包括的な持続的森林資源管理のための具体的な方向性や新しい協力の可能性を検討するため、本件調査が実施されることとなりました。

当社は、森林・自然資源の利用や管理の社会・経済的な課題を把握し、同国の森林資源管理の包括的な促進の観点から、今後の協力及び民間・他ドナー事業との連携の可能性を検討しました。

コソボ、モンテネグロ

  • 雪崩防止林モデルサイトの現地視察の様子(コソボ)
  • 首都ポトゴリッツア付近での森林火災跡地(モンテネグロ)©国際協力機構
プロジェクト名: 西バルカン地域国家森林火災情報システム(NFFIS)とEco-DRRによる災害リスク削減のための能力強化プロジェクト
期     間: 2021年2月~2026年2月
実施スキーム : 技術協力プロジェクト(JICA)

「西バルカン」とは、バルカン半島の西側に位置する6カ国(アルバニア、北マケドニア、コソボ、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ)を指します。EU加盟を目指すこれら6か国の経済社会改革の支援と西バルカン地域内の協力促進を目的として、日本は「西バルカン協力イニシアティブ」を打ち出し、各種支援を実施しています。本事業は、このイニシアティブの一環として西バルカン地域に防災分野での支援を行うべく、コソボ、モンテネグロ両国における防災・減災の取り組みをさらに推進しようというものです。

コソボおよびモンテネグロでは、森林火災が森林そのものの減少のみならず、生物多様性への影響や土砂流出など他の自然災害の誘発などの観点からも大きな課題となっています。また、コソボでは雪崩災害、モンテネグロでは暴風災害も深刻で、EUの基準にも準拠しつつ有効な対策が必要とされています。

こうした両国の状況を背景に、森林火災の被害を最小限に抑えるためには早期発見が肝要であることから、本プロジェクトでは、衛星画像を活用し上空から国土全体を監視する国家森林火災情報システムシステムを開発し、その運用について技術の向上を図ります。また、雪崩防止林あるいは海岸防災林といったEco-DRR、すなわち、生態系を活用した防災・減災アプローチのモデルを実践しその効果を実証することによって、政府関係者や地域住民へのEco-DRRの普及を促すこととしています。


JICAホームページ
コソボ https://www.jica.go.jp/project/kosovo/005/index.html
モンテネグロ https://www.jica.go.jp/project/montenegro/001/index.html

ODA見える化サイト
コソボ https://www.jica.go.jp/oda/project/1900443/index.html
モンテネグロ https://www.jica.go.jp/oda/project/1900386/index.html
Facebook https://www.facebook.com/WestBalkanNFFISandEcoDRRProject

ソロモン

  • 土地利用マップ作成と土地利用計画策定のワークショップ
プロジェクト名: 持続的森林資源管理能力強化プロジェクト
期     間: 2017年9月~2022年8月
実施スキーム : 技術協力プロジェクト(JICA)

ソロモン国の森林率は、78.1%(2015年)と世界的にも高い数値であるものの、旺盛な木材輸出などにより、同国の森林は劣化傾向にあります。輸出の半数以上を林産物に依存する単一経済構造になっており、森林資源の持続的利用を推進しつつ、代替産業を育成していくことが急務になっています。

同国政府の「国家開発戦略(2011年-2020年)」では、「環境保全・防災」を重点目標の1つに掲げられており、生物多様性、林業等自然資源への包括的かつ持続的なアプローチの促進が謳われています。

本案件はこの同国政策に沿って、持続的森林資源管理の促進に関する同国森林研究省の政策立案能力を向上させ、関連する活動の実施を通じて森林研究省とその関係機関の協調と連携を図るとともに、住民によるパイロット活動に対する支援活動を通じて持続的森林資源管理を行う森林研究省の能力を強化していくことを目指しています。これにより、ソロモン国の持続的森林資源管理が包括的に促進されることが期待されます。


本プロジェクトの情報は、以下においても発信しております。
ソロモン森林研究省HP https://mofr.gov.sb/en/jica-project
StoryMaps https://storymaps.arcgis.com/collections/bdb1cddb4e3847cba8183d67b344edc7?item=2
Facebook https://www.facebook.com/sisfrm/
Youtube https://www.youtube.com/channel/UC3_oJjc14Z6E0w0rcqtWRxw
Twitter https://twitter.com/sisfrm

ベトナム

  • 土地利用マップ作成と土地利用計画策定のワークショップ
  • 村落森林パトロールチームに対する研修(ホアビン省)
プロジェクト名: 持続的自然資源管理プロジェクト
期     間: 2015年12月~2020年8月
実施スキーム : 技術協力プロジェクト(JICA)

ベトナムの森林率は、農地転換や違法伐採等により1995年に28%まで減少した後、植林・森林再生・森林保全政策によって40%近くまで回復してきましたが、森林面積だけではなく森林の質の向上や持続的管理が求められています。また、人口の約30%(約2500万人)が森林等の自然資源に依存した生活を送っており、自然資源の持続的な管理は、生物多様性の保全、水源涵養、防災、気候変動対策といった環境保全の観点のみならず、グリーン成長や貧困削減、地方開発においても重要な課題であると位置付けられます。

このような状況下において、本プロジェクトは政策立案と持続的森林管理の実施の両面における支援を視野に「持続的自然資源管理に必要な国家の能力が強化される」ことを目標に、実施されることとなりました。

プロジェクトでは、ディエンビエン省、ライチャウ省、ソンラ省、ホアビン省においてパイロットサイトを選定し、REDD+行動計画の実施を支援しました。REDD+とは、森林の減少や劣化を抑制することによって温室効果ガス排出量を削減することです。また、生物多様性の保全の取り組みとして、重要な生態系地域であるランビエン生物圏の管理・運営体制の整備を図りました。これらの活動で得られた情報は、森林管理情報システムや国家生物多様性データベースにおいて共有し、さらに、これらのシステムの維持管理と利活用を通じて、同国の自然資源管理に関する主要政策の形成と実施促進を支援しました。


ODA見える化サイト https://www.jica.go.jp/oda/project/1400626/index.html