トップページ気候変動対策気候変動政策ブログ

事業紹介

気候変動政策ブログ

気候変動問題は、地球そして人類が直面している最大の問題ですが、その巨大性、超長期性、複雑性、間接的影響性などの特徴により、なかなか実感することが難しい問題でもあります。IPCCの評価報告書によると人為的要因である可能性が非常に高いとされているため、われわれ自身が責任を持って将来のために解決策を見出さねばなりません。国連をはじめとした国際機関、各国政府・自治体などは様々な政策を打ち出し、企業や個人も努力が求められています。
本ブログにおきましては、上記内容に即し、気候変動問題に関係する環境・エネルギー問題など幅広いテーマについて、時宜を得たトピックを取り上げ、状況を簡潔に解説するレポート(各月発行予定)、および中長期的視点より問題点、課題の整理、状況解説や分析、政策提言を行うリサーチ(四半期発行予定)を配信いたします。

最新

report_vol_09

2017年12月


パリ協定下の市場メカニズム構築に向けた課題および期待

調査研究開発部 主席研究員 丹本 憲

2020年以降、気候変動政策の根幹をなすパリ協定において、市場メカニズムの利用について第6条が設けられた。本稿では、その具体的内容や運用ルール等がいかなるものとなるか。そして具体的制度構築に向けてどのような課題があるか。さらに市場メカニズムに何を期待するか等について、同条2項の協力的アプローチおよび同条4項の国際管理型アプローチに焦点を当てつつ概説する。

(PDF: 800 KB)

過去の記事

環境通信

国際航業の土壌・地下水環境ソリューションは、1960年代より地下水保全に関する流動解析・シミュレーションやコンサルティングサービスよりスタートし、土壌・地下水汚染の調査や浄化に関する環境サービスを主体として成長してまいりました。
現在では、土壌・地下水汚染にとどまらず、企業の環境経営における価値向上やサステナビリティへの貢献に資するべく、様々なシーンにおける環境サービスを提供しております。
この「環境通信」は、企業の環境担当者の方々に向けて上記のタイムリーな内容をお伝えすべく、1ヶ月に1度のペースでメールマガジンとして発行しています。

最新

2018年4月

Vol.154

民間事業者の気候変動適応

気候変動対策研究所準備室 前川統一郎

今月は、気候変動の影響への適応(気候変動適応)についてのご紹介です。

本年2月に、「気候変動適応法」が閣議決定され、今国会で成立の見込みです。
この中で、事業者には、「自らの事業活動を円滑に実施するため、その事業活動の内容に即した気候変動適応に努めるとともに、国及び地方公共団体の気候変動適応に関する施策に協力するよう努める」ことが求められています。

人間活動によって排出された温室効果ガスが原因となった地球温暖化が進んでいます。
昨年の世界の平均気温は2016年、2015年に次いで史上第三位を記録しました。
地球温暖化がもたらす気候変動が原因と見られる異常気象は世界各地で発生しています。
昨年の気象災害による全世界の経済損失は、過去最大の3440億ドルと見積もられています。我が国でも、「過去に例を見ない」豪雨や猛暑などが毎年のように発生し、全国各地に被害をもたらしています。

この地球温暖化(気候変動)に全世界が協調して取り組むための国際的合意が2016年11月に発効したパリ協定です。この協定に基づき、今世紀末に地球の平均気温の上昇幅を産業革命前の水準より「2℃を十分に下回り、限りなく1.5℃に近づける」ことをめざし、世界各国が温室効果ガスの排出量削減のための取組(「緩和」と呼ばれています)を開始しています。
しかし、パリ協定の目標に向けて「緩和」が理想的に進んだとしても、温室効果ガスの排出が続く限り、地球温暖化は止まりません。そして、気候変動による異常気象等の頻度と強度がさらに高まることが懸念されています。

企業の事業活動に対しても、異常高温による熱中症の発生や台風による操業停止などの形で、気候変動の影響が既に顕在化しています。また、世界中に広がるサプライチェーンが洪水により寸断されること等による、間接的な影響も発生しています。
その一つの例が、2011年のタイの大水害です。さらに、気候パターンの変化は、水資源や原材料の利用可能性への影響、市場の変化などの形で徐々にリスクを拡大させます。

このような気候変動リスクを回避・低減するための取組が「適応」です。
具体的には、サプライチェーン(サプライヤー、自社、顧客)全体にわたって、気候変動が及ぼす事業活動へのリスクと機会(チャンス)を評価します。そして、これらのリスクと機会の事業活動や経営への影響を総合的に分析し、優先順位を考えながら計画的に対応します。
リスク対応と言う面では、「適応」はBCP(事業継続計画)と似ています。
しかし、「適応」には、瞬間的な気象災害だけでなく、徐々に変化する気候条件による影響や市場の変化など、間接的な影響も検討対象に含まれます。
また、長期的かつ動的に変化する気候変動と事業活動との関係分析が必要である点で、BCPとは大きく異なります。

英国を中心とした海外では、10年以上前から「適応」の必要性の認識が高まっています。これに伴い、企業の「適応」に関する普及啓発が進められており、積極的に取組む企業も多数みられます。
また、「適応」への取組に商品やサービスを提供する「適応ビジネス」も生み出されています。
英国環境庁が2015年に発効した啓発書では、適応への取組は、

  • ① 長期的視点も含めた事業継続性を高める
  • ② 長期的なコスト削減と優れた投資判断ができる
  • ③ 投資家や株主などからの評価が高まる
  • ④ 他社よりも一歩先を進むことにより競争力が高まる機会に繋がる
と述べています。
昨年、金融安定理事会の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言が発表されました。
この提言では、気候変動による自社のリスクと機会の財務的影響を評価し、経営課題として取組むことが推奨されています。
この提言を受けて、「適応」に取組む海外の企業は、さらに拡大すると考えられます。

これに対し我が国では、「適応」への認識は高いとは言えません。
まだまだ先の話、自分とは関係の無い話と考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、気候変動による影響が既に顕在化していること、TCFDの提言に代表される世界的な動き、そして気候変動適応法案の成立によって、我が国の企業も「適応」を自分事として考えるべき時が来たと言えるでしょう。
環境省は、法案成立に合わせて、民間事業者向けのガイドライン等の啓発書作成も予定していることから、これらの図書が企業の取組を後押しすると考えられます。

「適応」へ取組むことは、「適応ビジネス」としてのチャンスだけでなく、上述したような企業競争力を高めるチャンスにもなります。
また、地方自治体や地域と連携した戦略的な取組は、SDGsのターゲット13.1(すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性及び適応の能力を強化する。)への貢献にもつながります。

気候変動は避けられない変化です。これをチャンスにつなげるために、主体的な適応に取組むことが望まれます。
なお、国際航業は環境省や関連学会と連携しながら、民間事業者の気候変動適応に関する取組を支援しています。
適応に関して詳しくお知りになりたいときは、是非ご相談ください。

担当は気候変動対策研究所準備室 前川統一郎でした。

グリーン・コミュニティ ニュースレター(アーカイブ)

「安全安心な地域づくり」「低炭素社会づくり」の取り組みを通して培った、様々な情報・ノウハウを皆様にお届けするために2012年から2015年の間に発行した、「Green Community News Letter(グリーン・コミュニティ ニュースレター)」のアーカイブをこちらでご覧いただけます。

※各カテゴリーをクリックすると過去の記事がご覧になれます。

低炭素型まちづくり
バイオマス発電
地球環境問題に対応する森林保全
小水力発電
風力発電
その他

事業紹介

日本アジアグループ 東証一部に上場致しました。証券コード:3751

気候変動対策ブログ・環境通信

地理空間情報ミュージアム MoGIST

一般社団法人 仙台グリーン・コミュニティ 推進協議会